何をどうしても美しいds
★★★★☆
入手動機の1つはメンバーの妙。D.マレイ(ts、bcl)、A.ブライス(as)、P.ウォーレン(b、cello)。雰囲気から言えば何やら騒々しさや”キツさ”のようなものが想起されるのですが、ホストであるJ.デジョネットのdsは常に美しさ(ある種のひんやりした感触)を貫き通していることから、作品全体も「拡散的になるか」との思いは見事に払拭されます。
シンプルながらカッコよく、J.デジョネットの激しくも緻密なソロを織り交ぜた[1]。J.コルトレーンの[3]を美しく奏でるD.マレイとA.ブライスの2管も(他の楽曲と比較すると)少し趣を異にしていると受け取れますが、決して穴埋め的な選曲ではないでしょう。
同じJ.コルトレーン作ながら[4]ではJ.デジョネットのpから始まり、先の2管が気持ちのいいソロをかましてくれます。無論、本領であるdsでビシビシキメまくるJ.デジョネットが後方に居ることもお忘れなく。
全体を通じて思うことは、時代(本作は'79年録音)にあって、ジャズそのものが閉塞しかかっていた事を考えると、”まだまだJazzはくたばらない”という具体的な行動(というか、意思)を示すような作品なのでは?という点です。それはともかく、やはりJ.デジョネットのdsは美しい。。。