この物語はランダルという犬飼いの少年が紆余曲折をへて騎士になるまでの成長のドラマです。故郷と呼べる場所にたどりつき、あるじに忠誠を誓い、友情を知り、敵と闘い、大人になっていく過程に、読む人も自分の人生を重ね合わせることができます。また、当時の騎士の習慣や荘園の生活、風俗などが細かく描かれていて、その頃の人たちはこんな暮らしをしてたんだ、と想像しながら読むのもおもしろいと思います。
児童文学ということになっていますが、大人が読んでも十分楽しめる作品です。