インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

新史太閤記 (下巻) (新潮文庫)

価格: ¥788
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
信長の限界を見出す瞬間がドラマチック ★★★★★
まるで命を吹き込まれたかのような、秀吉、信長、竹中半兵衛、黒田官兵衛らの躍動感。「歴史に忠実か否か」といった見方を軽く超越した、間違いなく「面白い」読み物です。
信長に「猿っ」と怒鳴られながらも、「家臣たるもの、使われてこそ」と突き進む気概や実行力、そして商人的合理性にもとづく大胆な発想は、学生や若いビジネスマンにとって大いに参考になるものでしょう。そんな秀吉が、信長の中に唯一欠けるもの、――世の風評への感度――を見出し、「これがこの天才の限界か」と内に叫ぶのは、子が親を超える瞬間のようでもあり、ドラマチックです。
ハイライトは、柴田勝家との決戦「賤ヶ岳の戦い」。司馬はこの宿敵を、古い時代の象徴――戦略より武勇、合理性より封建的価値観に束縛された中世の武士――として位置づけ、秀吉の豊かな戦略性がこれを凌駕する様を、新時代到来の一大ドラマに仕立て上げてみせます。
しかし、決して無能の輩として勝家を描いてはいない。哀しくも美しいその散り様は、胸を打つものがあります。筆者は「項羽と劉邦」における項羽同様、戦略なき勇者の中に、かつての大戦で敗れた日本を重ね合わせおり、それはすなわち、今を生きる私たちへの警鐘でもあるのでしょう。
司馬特有のユーモアで、笑わせてくれるシーンもあります。中でも、初婚の相手が、その異相に驚き、逃げ出すエピソードは秀逸。様々な示唆に富み、最高に面白い歴史読み物です。
この人を見よ ★★★★☆
おそらく、NHK大河ドラマで繰り返される戦国モノ、秀吉モノの原型となったのは、この作品ではなかろうか?この作者は大河の常連作家で、すでに7回ほど登場しているらしいが、題材としてはやはり、戦国期と幕末という(我々のように外国人化した)昭和中期生まれにも判りやすい時代が多い。そしてそれら作品に登場する、清々しい主人公たち(例えば、今流行りの龍馬や高杉晋作、淡路島の高田屋嘉平衛や、遥か遠く古代中国、前漢の始祖に至るまで)に通ずる人を惹きつける魅力、あるいは桁外れの胆力は、ここ木下藤吉郎から発しているようだ。このような鋳型は、ひとり秀吉に限った事ではなく、それこそ綺羅星のごとく登場する武将や志士たちのすべてが、あたかもスターシステムのように、この作家の作品には控えている。だからこの作品を読めば、司馬作品で造形される大凡のヒーロー像に巡り会うことができるというわけだ。

立身というのを我々日本人は好む。
奴僕のような生い立ちでしかも猿のようにみにくい。このような男が信長という一種、合理主義の権化のような君主に仕える。これだけでも十分にドラマチックなのだが、それに加えてこのハンディキャップの固まりのような男が稀代の出世を遂げる。解説にもあるように、これは小説家ならずとも物語りたい題材だと思う。ここで我々は何をして彼を頂点に登らしめたか?そのモチベーションは一体なんだ、と疑問に感じる。それは前述の出自や容姿の劣等感だけではなく、まさに主、信長の合理主義を究めた強い意志だと知る。つまり目的の達成のためには手段を問わないという姿勢であり、信長は強硬を選び、秀吉は懐柔を採ったということだ。司馬遼太郎氏はそのような秀吉(像)を愛し、それ故に老害により汚れた晩節を描くのは忍びがたかったのだろう。

今太閤と呼ばれ、強烈な個性を持って、ある面国民に愛されたあの党人政治家も亡くなって久しい。かの政党にもその影響を受けた者が少なくなり、いわゆる貴種の2世議員が主流となって、党も傾いている。今もし、党の再起を願うなら、籐吉郎を見よ、と言いたい。意味の無い矜持など捨て去り、本当の意味で、国民に土下座の出来るリーダーを選べと言いたい。汚れた膝はその後で拭えばいいのだから。
新自己啓発書 ★★★★★
歴史書として読むのも面白いけれど、ビジネスの人間関係の構築の仕方等(秀吉の持って生まれた気質が大きいとは思われるが)戦国時代にあってサクセスストーリとして読んでもかなり面白い。頭の良さもあるとは思うが、天はこういう人に味方をするのだなと感じた。
天下人らしからぬ天下人 ★★★★★
司馬遼太郎は『国盗り物語』で織田信長、『関が原』で徳川家康、そして本作品で豊臣秀吉を描いているが、この中で人間的に一番面白いのは秀吉である。現代人にとっても、友人として付き合うなら、秀吉しかあり得ないだろう。バラエティ番組に出演させても一番面白いはずである。

この秀吉のユニークさが余すところなく描写されているので、歴史小説であるにもかかわらず、歴史的事件よりも秀吉の人間性に惹かれて読み進めてしまう作品である。

ただ、残念な点は、天正14年の家康が秀吉に臣従する場面で終わっていて、それ以後が描かれていないことである。

(これは上下巻を通してのレビューです。)
信長との対比が面白い ★★★★★
司馬遼太郎の戦国四部作の第2弾。
豊臣秀吉の物語です。

主君の織田信長に利益を生み出すことだけ考えて仕え、
ついには軍団長となる。
その後、本能寺の変を起こした明智光秀や、
信長の筆頭家老であった柴田勝家を倒し、
ついには徳川家康を懐柔して天下人となる。

秀吉は、陽気で、人誑し。
血を好まず、つぎつぎと敵を懐柔していく。

国盗り物語から読むと、
織田信長との対比がはっきりして面白いです。
当然ながら作品は面白い ★★★★★
国盗り物語に続いて司馬遼太郎戦国ものを購入。こういった長編ものを決め打ちで続けて買っていくにはネットが一番なのを痛感しました。