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三国志〈第4巻〉 (文春文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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曹操、劉備等、三国志の主人公達の能力・人格の考察が鋭い。 ★★★★★
関東では曹操が軍事の天才を発揮。黄巾軍をその人格で惹きつけて青州兵に育てるあたりは痛快だ。と思えば父を殺された仇を討つため遠征し、その間に足元を救われそうになるが、その試練が彼を一回り大きくする。三国志演義では悪役だが、あの時代の第一の英雄は曹操だろう。時折弱みを見せるものの、好漢曹操の本領が冴えだす様は読んで楽しい。同時に関羽と張飛をしたがえた劉備にも飛躍の時が訪れる。その大器・劉備のわかりにくさに、老荘思想の影響を見るのは鋭い指摘だ。人に好かれる劉備の生涯を解くキーワードを得た思いだ。対する、袁術や袁紹の狭量ぶり。宮城谷・三国志は人間観察を通じて、乱世のリーダーに求められる資質を説く本だと言える。

関西では董卓が呂布に殺される等、混乱が続く。美質を持ちながら一流になれなかった男として呂布を描いているのは面白い。董卓殺害の原因が色恋沙汰でないのは正史ベースの本書らしい。その他、小悪漢が次々に登場するが、彼らの存在が曹操等の好漢度を上げているのである。

年表と主要人物一覧があると読み易くなるのだが。
正に三國志 ★★★★★
良いです。さすがは古代中国史第一人者の宮城谷さんです。三國志と言えば三國志演義な感じだったので正史派としては嬉しい限りです。レビューみてたらダイナミックさが無いとか貂嬋が出て来ないとか・・まぁ三國志演義派(劉備が正義の将軍と思っている人)にも一度は読んで頂きたい作品ですね。
こってり塗りの漆喰壁に亀裂が…? ★★★★★
ようやく曹操の周りに集まってくる人物が描かれ、まるでレンガを一つ一つ積み上げるようにして書かれている、宮城谷さん自身「三国志は難しい」と言った苦心の第四巻目である。人物描写は極力、正史三国志を意識してなのか、他の「三国志」では、ずば抜けてこっぴどい性格で書かれている人物でも、自然と人間のできる範囲の凶暴さで、それは引き締まった人物像であり、それぞれの考えが描かれているのが印象的だ。ただ、全体的にレンガを積み上げた壁に丹念に漆喰を熟練した技で塗り固めていっているように感じるものの、袁紹と袁術が大騒ぎしている間に、董卓が殺されているのが、ものすごく後になって書かれ始めたり、徐州で曹操が親父さんを殺されて、大暴れしていたのが、なぜかふいに何の理由も書かれずに撤退してしまったりするという、漆喰の壁にところどころ亀裂があるように感じるのが否めない。やっぱり同時進行で物事を書いていただかないと、読んでるこちらもあたふたしてしまうのだが、三国志全体の見通しをつけている方なら、「ああ、ここであれが繋がったんだな」と納得しながらいけるといえば、全く嘘ではない。ゆえに「三国志は難しい」のだとよく解かるといってよいほど、入念さが伺える。熟練匠の壁にもたまにはヒビが入るらしい、くらいで読むのが一番気楽で良いと思う。劉備も出てきたことだし、まだまだ盛り上がるにはじっくり読んでいきたいと思う第四巻である。
肇恷互の眉忽崗 ★★★★★
いろいろと答登めいた並も冱われていますが'。暴は書までにんだ眉忽崗の嶄ではいなく恷互だと房う。
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電茅した眉忽崗。それがこのm廓紅眉忽崗です。U佚や繝など書までの眉忽崗では托もれがちだった繁麗にも
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臼圭眉忽崗や眉忽崗處へどうぞ。暴はそんな眉忽崗はもういらない。絶床な朕でた眉忽崗がみたい。
物語のダイナミズムが不足しています ★★★☆☆
 この四巻では、曹操が徐州を取る取らないの話と、呂布が董卓を倒して勤王の精神を発揮しようとするも王允ともども再び追い落とされるあたりが描かれています。もちろん、宮城谷三国志ということで超蝉のくだりはカット。まったくありません。そのかわり、呂布も裏切り者で暴虐で残酷でというステロタイプな描写はなく、むしろ世間的には呂布はいっとき世論的には一番帝への忠誠心が強い将軍と思われていたこと、また事実関係として曹操やら袁術などと違って本当の意味で皇帝に将軍職や官位を授けられた正当な将軍だったというし実を明らかにしていく。まぁ、運命的には陳宮と組んで動いて最後は曹操に殺されるのは同じなのですが。 
 ところで、小説としてのこの宮城谷版三国志の感想なんですが、やはりどう転んで贔屓目に見てみてもあまりに些末な事柄やそれぞれの端役武将や官吏の詳細エピソードにこだわりすぎて、ダイナミックさやら、話の大きな流れを追っていって大盛り上がりしていく「物語」としての生命力・熱が薄いのが否めません。端的にいうと退屈してしまう、だれてしまう部分が多すぎる気がします。
 曹操が天才であったということだけは伝わってくるんですが、妙に事績をもちあげて文人としての感性も褒めちぎるところ多しなのですが、じゃあ人格はどうだったかというと非道なところもどんどん突き放したように描かれる。こうなってくると主力としての魅力がいまひとつ出てこないし、通例の「三国志」なら対極に描かれるはずの劉備などはどうして生き残っているのかわからない雑魚のようなタッチで描かれるので、これも感情移入しずらい。劉備に対しては魯鈍であり頭脳を使わない品性がない人間というスタンスだから仕方ないのかも知れないが、こうなってくると、物語としての爆発的な魅力が出づらい。
 スタートするまでは、あの宮城谷さんが三国志を描くという事でものすごく期待したしワクワクしていたんだけれどなぁ。ハードカバーのほうの八巻もそろそろ出るはずだが、どうなのだろう。宮城谷作品にしては、三国志にしては盛り上がりが足りないような気がするのだが。作品としていまひとつ失敗したなぁと御本人が思っておられるのなら、あと何十巻も続けなければならないこの三国志は途中で切り上げてもらって、彼が得意としており本当に面白いと思える春秋戦国時代とかの物語にいってもらっても、ファンとしては納得するかと思うのですが、、どうでしょう?