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三国志〈第1巻〉 (文春文庫)

価格: ¥691
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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ぜひ他の三国志を読んでから ★★★★☆
個人的には宮城谷著書のファンなので、満を持してとりかかった三国志がどう言った描かれ方をするのか…と、とても楽しみにしていました。

正直なところ、私は好きです。
蜀一辺倒、レッドクリフのごとく曹操が悪の権化のように書かれている「演義」版が広く知られている中にあっては、物凄く新鮮な視点と設定だと思います。
まさか後漢末期から始まったうえに、桃園の誓いや三顧の礼という、あまりにも有名なエピソードにほとんどページが使われずに話が進んで行くとは、いい意味で驚かされました。
おかげで皇甫崇と言う人に興味がでてきましたが(笑)。

多分著者自身が、この本を手にとる人は、何らかの形で三国志を一度なりと読んでいると言う事を前提にしているような気がします。
なのでぜひ、三国志をまだちゃんと読んだ事がない人は、吉川三国志から(長い!と言う人は柴錬三国志でも)読んで、その後で宮城谷三国志に取りかかって、その違いを楽しんでください。

私としては5ツ星を付けたいところですが、三国志初心者には不向きかも?と言う点と、蜀ファンには、劉備に対する記述が相当辛らつである点が許容出来るのか?と言う点で、☆4ツです。
ハードカバー版より上 ★★★★★
私は書評より、純粋に商品としてレビューしてみます。
単行本は現在8巻まで出てます。しかし、単価は断然文庫本の方が安く、持ち運びにも便利です。本作は非常に史書からの引用があり、それを編纂して物語にしておりますから、三国志の参考書的な側面も持ちますから、そういうメリットもあります。そこにおいて文庫本サイズは便利です。(もちろん、時代小説から歴史を研究するなんてのは遠慮するべきですが、考察の手がかりにはなります)
それで、連載時の挿絵も文庫本には掲載されており、単行本では折り込み冊子だった番外編が末尾に掲載されてます。明らかに文庫本サイズの方がメリットが多いです。
ただ、現在4巻まで発売中。どうしても単行本の刊行スケジュールがあります。(おそらく9巻は2010年秋刊行で間違いないでしょう)
そうしますと、文庫本の刊行完了は2012年ぐらいの予感がします。
ここが悩ましいところでしょうか?。
内容は初心者には火傷しかねませんが、これも勉強だと思って臨まれるのもいいですよ。
「人生は死ぬまで勉強」です。
変わることのないペシミズム ★★★★☆
宮城谷文学といえば諸国がしのぎを削る春秋戦国時代を背景に、颯爽とした英雄が登場して・・・というストーリーを愛読してきたが、三国志となると勝手が違う。貪欲な意図を持ったものが権柄を握り、清廉な志で政治を立て直そうとする者も、やがて奸悪な刃に斃れていく。正史三国志が正史紀伝体の常として、前王朝のプロパガンダ的批判から入る仕立てになっているのもあるだろうし、何より後漢書も三国志も、異民族台頭下での亡国の嘆きを基調としていることがあるのだろうか。

第一巻は後漢王朝の中盤、6代安帝から8代順帝の時代が対象。正史三国志や三国志演義がカバーしていない時代であり、三国志前史が語られる。前漢滅亡時に官僚が皇帝の藩屏として機能しなかった反省から、後漢王朝では科挙による学識登用でなく、考廉による徳目登用が行われ、そういう恣意的な官吏登用システムが結局は宦官や外戚による専横の土壌となった。楊震ら多くの官僚や学者たちの悪戦苦闘も描かれるが、良き意図もいずれ邪悪なものに飲み込まれていく、というペシミズムが物語の根底を流れ、変わることはない。

王朝が緩やかに衰亡へ向かう中、希望の種が蒔かれる。それが新時代を切り開いた曹操の祖父である宦官の曹騰である、ということになるのだろうか。
初めて三国志を読む人には辛いかも… ★★★★☆
宮城谷さん自身がむしろ春秋戦国よりもっと前の人物に魅力を感じていたため、「三国志」は後回しにされてしまったが、今まで書かれた「長耳」や「楽毅」「子産」などのように人物を豊かに書きたいという思いが、この「三国志」のなかで果たされていると思う。ただ、論文になる嫌いがあって物語性が見えにくいのが難。小説、というより人物論文のようでもあるので、「三国志」をまったく読んだことのない人にはもうさっぱり訳が解からなくなると思われる。しかし、流れさえ知っていれば、登場人物の関わり合いに、なるほど、と頷けることしばし、「三国志」をより深く知りたいのであれば楽しめる。ちなみに物語は後漢から始まっているので1〜2巻まで劉備や関羽、張飛の話が全くと言っていいほど出てこないので彼らのファンは覚悟した方が良い。曹操がやっと2巻の最後に出てくるので、1巻は先に忍耐がいると思う。
第一巻は後漢の物語。悪党のオンパレード。黄巾の乱はまだまだ先だが面白い。 ★★★★★
宮城谷氏は代表作「重耳」でも祖父の代から書き始めているように、主人公の登場を必要とした前史を丁寧に解き明かす。しかし、曹操の祖父である宦官・曹騰に光を当てつつも、第一巻をまるまる後漢中期の外戚・宦官入り乱れての勢力争いに割いたのには驚く。三国志は普通黄巾の乱からスタートするものだが、簡単なエピソードの紹介も含めれば後漢初代皇帝・光武帝、いやその前の漢王朝簒奪者王莽にまで筆が及んでいる。もっとも、著者があとがきで述べているように、時代区分でいえば、赤壁の戦いも含めて曹操や関羽が生き、死んだのは後漢時代。まずはこの王朝の脆弱さ・腐敗ぶりとその中で清く生きようとした士の精神のあり方をとことん描こうとした意図は理解できる。それにしても、一時善政が行われた時期があるとはいえ、後漢時代は悪党のオンパレードとしか言いようがない。だが、壮絶な権力争いの過程はやはり面白い。私は宮城谷氏版「三国志」はまだ本巻を読んだだけなので、我々が良く知る三国志とどう結びつくのか不知だが、詳しく知らずにいた後漢王朝の物語として本巻を評価したい。本巻はまた、これまで資料が少なく呪術的要素が大きかった中国古代の話をたくましくい想像力で補って描いた著者が、資料が多くある意味縛りの多い紀元後の中国の、人間と人間の関わりが中心となる物語をどう描くか、大いに期待を抱かせる大河小説の幕開けだ。なお、悠長に長大な三国志を読んでいられないという方には、中国中央電子台製作のTVシリーズのDVDをお薦めする。