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本当の中国を知っていますか? ――農村、エイズ、環境、司法

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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ちょっと平板ですね。 ★★★☆☆
『中華圏』として中国本土、香港、シンガポール、台湾を一くくりにして『中国式権威主義』で切り取ったのはちょっと乱暴すぎる嫌いもありますが、各地の中国人、中国系の人たちの思考様式を普通の人に分かりやすくイメージさせるには良かったのでしょう。本書では中国本土のエイズ問題についてかなり突っ込んでいるのは一読に値すると思います。故杉本信行さんの『大地の咆哮』とあわせて読むと、現代中国の理解がもっと進むかも。
共産主義の矛盾、都市と農村の格差問題 ★★★★☆
 本書は昨今の中華人民共和国(中共)の闇部である農民問題の実体に
深く切り込みます。都市部と農村部の所得格差は公称3倍、実態は10倍
以上とされます。さらに地方の国民は移住の自由さえも与えられず、国の
政策に不満を抱く農民たちの抗議行動が相次ぐのだという。それを共産党、
警察、司法が一体になり、虐待をも厭わず押さえ込む現実があります。
 人民日報と提携している朝日や日経では、決して報道されることの無い、
中共の闇部に深い驚きを覚えました。
いわゆる「反中本」とは一線を劃す良書 ★★★★★
2004年4月刊行ですから、もはや古い本に分類されてしまうのかも知れません。しかし、タイトルから僕が当初想像したような、最近、溢れ返っているいわゆる「反中本」とは一線を劃す読み応えのある著作でした。

著者は産経新聞のシンガポール、台北、香港、北京の支局に駐在した記者。内容の多くは中国における様々な歪みを、新聞記者らしく取材と事実に基づいて感情的には一切ならず冷静に記している。内容・筆致からそのように感じました。

特筆すべきは、国それぞれの違いは当然踏まえつつ、文明としての「中華」への深い洞察が背景にあると見受けられたことでした。

その意味で、台湾やシンガポールの政治体制や国民性を活写した6〜9章がひと際輝いていました。

さまざまな局面で、中華民族は果たして民主主義は受け入れ得るのだろうかと感じることの多い自分にとって、コンクリートな視座を得られたことがこの本を読んだ最大の収穫と言っていいかも知れません。
読み物としても良い出来 ★★★★☆
良書だ。帯に書かれた「中国ルポの金字塔」という自画自賛の言葉も(褒めすぎではあるが)嫌みには感じられない内容だ。中国本にありがちな著者の思い入れや偏見の強いアピールがなく、報道・ルポとして王道の内容であるとともに、それでいて著者の思い出なども随所にちりばめられていて、読み物としても良い出来だと感じた。

著者の山本秀也氏は産経新聞社の社員として、社の名誉をかけて北京に送り込んだ中華圏専門の記者。北京大学の学士四年コースを卒業しており、高い言語能力と広い人脈が、他にはない取材力の源泉になっている。気になったのは、あのプロパガンダ教育のなかでバランス感覚を持ち得たこと。経歴を見て納得した。天安門事件前に就学している。最も自由な気風が許された時期に学んでいるのだ。

本書には、農村、エイズ、環境、司法とキーワードが付されているが、むしろ「権威政治と秘密主義」「汚職」「貧富の差」「モラルなき農業」「蔓延するエイズ」「民主なき法治」等々の方が硬派な内容を良く伝えるのではないか。本書一冊で現代中国を分かったような気になるのは危ないが、基礎知識としては十分だ。中国入門本としてお勧めできる。

所々で尖閣諸島の問題など、日中間での政治問題について“産経色”のフレーズが入っているが、その多くが付言という形で挿入されており、著者の論というよりは、編集サイドで挿入した気もする。ともあれ、第二・第三の山本を送り出すことができれば、「中国報道は産経」といった評価も不動のものになるだろう。
現代中国の暗部と伝統回帰の動き ★★★★☆
 本書は、華人圏駐在10年の経験を誇る敏腕外報記者が、自身の経験や現地における綿密な取材を基に、建国半世紀を迎えた中国の今日的状況を分かりやすく解説するものです。農村問題・司法の退廃・環境破壊など、昨今の繁栄の裏に潜む中国の暗部が鋭く指摘されています。筆者の研ぎ澄まされた問題意識と、豊富な人脈に裏打ちされた取材力の高さには敬服を禁じ得ません。

 筆者は、改革開放の進展とイデオロギーの退潮の中で、最近の中国社会に伝統回帰の動きが見られることを指摘しており、地方農村における宗族支配の復活などに注目しています。このように、歴史的・文化的なパースペクティブを意識しながら今日的状況が論じられており、分析の内容に深みが加わっています。長い歴史を誇る中国社会が、果たして共産主義運動によって如何ほどの影響を受けているのか、思わず考えさせられてしまいます。

 他方、限られた紙数の中、今の中国が抱える主な内政問題を全て取り扱わんがばかりの心意気であり、個々の問題についての敷衍が若干手薄になっているように感じました。次作以下、是非個別問題(特に宗族問題や環境問題など)についての各論に取り組んで頂くことを期待したいと思います。