人間賛歌
★★★★★
花沢健吾が描くボーイズ・オン・ザ・ランは汚い。醜い。悲しい。
そして、面白い。
この話は駄目人間に対する人間賛歌だ。駄目人間には駄目人間たりうる理由がある。そして、そういう存在は決して少数ではない。もちろん、多数派ではないが。主人公である田西は駄目人間だが、最後の一歩を踏みとどまる。最後の一歩で大切なものを守ろうとする。駄目人間も、そうでない人間も最終的に大切なものを守ることが出来る人は少ない。そして、それに気付いていても見てみぬ振りをする。
そこを、その最後の大切なものを、身をとして守ろうとする男の物語。
正直この物語はイタイ。しかし、面白い。この痛みを理解できる人に、あと一歩踏み出してもらいたいという作者の人間賛歌だ。
ここまでの全巻通しての感想です
★☆☆☆☆
社会にもまれる小市民が、悪戦苦闘しながらも自分を貫くという様な漫画は結構ありますが、
この漫画は似て非なるものですね。
自分を過大評価する暴走男の災難をただ書きつづっただけの漫画、と言った所でしょうか。
主人公含め「いい奴」と呼べる登場人物は殆ど居ません。
ライバル会社のイケメンと喧嘩したり、ボクシングを始めたり、主人公が色々と
挑戦することはしますが、どれも必死に頑張っている訳でも無く、行き当たりばったりで、
ただがむしゃらに行動しているだけです。
主人公を中心に様々なトラブルが発生しますが、それも全て自分が撒いた種であり、
同情出来るものではありません。
このコミックスを買った事によって、作者に印税が入ったと思うだけで不愉快です。