16世紀、宣教師来日航海の苦労が偲ばれる
★★★★☆
16世紀、宣教師が来日する航海は命がけであり、その苦労が偲ばれる。第35章では、シナから来日した司祭や修道士たちが奇跡的に助かった大嵐のことが記されているが、そこまでして来日する彼らの使命感に感動させられる。思うに宣教師の多くが日本で不遇のうちに客死する状況で、キリスト教の宣教に捧げる彼らの精神性とは何なのだろうか。一方、肥前の竜造寺隆信が圧倒的に優勢な軍勢を従えながら、薩摩と有馬の弱小連合軍に惨敗し、竜造寺隆信自身も討たれた戦闘は第53章に具に記されいる。一見、桶狭間の戦いにおける今川義元を彷彿させるものがある。