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完訳フロイス日本史〈7〉宗麟の改宗と島津侵攻―大友宗麟篇(2) (中公文庫)

価格: ¥1,200
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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旧勢力との相克 ★★★★★
中公文庫が刊行する完訳フロイス日本史全12巻のうち、
大友宗麟編の第2巻にあたるのが本巻。
絶頂期から衰退期に入る時期の大友氏を中心に豊後周辺地域の動静を描きます。

宗麟といえば一時は九州北半に覇を唱えた大大名。
さらに逸早くポルトガル船との交易をはじめ、
キリスト教をも受け入れた人物です。
戦国の動乱と、流入する欧州文化と日本人の関わりを見ていく上で、
これほど能弁に語りかけてくる人物もそうはないでしょう。

主題となっているのはキリスト教布教史ではありますが、
フロイスが直接語らない行間から多くのものを読み取ることも可能です。

キリスト教への反対勢力をフロイスは単に「頑迷」などと言った言葉で切捨てますが、
ここには中世以来の寺社勢力と結びついた土着領主層との政治的抗争があった筈です。
宗麟は交易の富と西欧の文物を取り入れることで新たな支配体制の
構築を夢見たに違いなく、彼が日向の土持に「キリシタン王国」を構想し、
寺社を焼却したことなどは正にその具現化であったでしょう。

耳川の戦いに敗れた大友家が一気に頽勢へと傾き、
同時に反キリシタンの嵐が吹き荒れた様子をフロイスは綿密に描いています。
敗戦を「神仏の怒り」とし、攻勢に出る寺社勢力とそれに結びついた家臣層の動きは、
国家鎮護の霊性を持って権力を取り戻そうとする旧来勢力の反抗そのものです。
新思想を元に支配体制の再編を目指す宗麟と、それに反発する勢力の相克は、
近世への階段を昇る日本の見事な縮図であり、尽きせぬ興味をそそられます。

本シリーズの織田信長編などとあわせて読めば、
より一層戦国から近世を迎える日本の姿を立体的に捉えられるでしょう。
豊後の戦国大名、大友宗麟がキリスト教へ改宗した過程が語られる ★★★★☆
改宗に慎重であった大友宗麟がいよいよキリスト教に改宗し、キリシタンとして生きる姿が描かれる。一方、日向国への豊後勢の侵攻に対して、背水の陣をしいた薩摩軍が果敢に反撃し、豊後勢は大敗し壊走することになる。歴史教科書ではほとんど取り上げられない地方の歴史が展開し、興味深い。当時の戦争、軍団、家臣団の勝敗に対する反応等が具に読み取れる。戦争は悲惨だが、当時の人々がどのような環境で、どのような思いで生きていたかが垣間見える。