冷静な評価
★★★☆☆
あくまで、武人を中心に置いた書き方なので、孔明などはやや滑稽ではある。呂布や曹操などに関しては、筆者が言うほど画期的な描き方がなされているとはいえない。もともと呂布や曹操自体、三国志においてなくてはならない魅力的なキャラであるし、これまでの呂布像、曹操像を打ち破っているとはいえない。さらに実在した人物であり、描き方に独創性を持たせるとしても限界があるとはいえる。強いていえば、曹操の「弱さ」が少し湿っぽく書かれている点、あるいはたびたび頭痛に悩むシーンなどは、これまでの曹操像にはなかったかもしれない。しかし、あらたな魅力を生んでいるとは言い難いであろう。やはり、孔明を「武人」的な視点からとらえていることをはじめ、「桃園の誓い」のないこと「チョウセン」が出てこないこと、オリジナルキャラが多々出てくること、など、独創性を全面に押しすぎることは、むしろ作品の価値を下げていることになると思うが( 桃園の誓いがないならないで、いいが、 桃園の誓いがおかしい、となると、 それはまた別の話。だから、水滸伝を書いたときにも「あれで水滸伝ですか?」と言われてしまうのであろう。。)
後悔。
★★★★★
「三国志」小説、漫画、様々な形で出版されているが私が初めて三国志を通して読んだのは北方版だった。
他の方の記述にある通り魅了され、三国志のファンとなった。
以後、他の方の著書もトライしてみたが残念なことに北方版のリアルさ、辻褄のきれいさと比較してしまい十分に楽しむことはできなかった。
完成度の高さを改めて実感する。
他の三国志を楽しめなくなる、という点でちょっと後悔している。
北方三国志
★★★★★
私は闘って負けた。
そして諸君は、闘わずして負けたのだ。
私は、闘わずして負けた諸君に、決別を告げる。
そんな言葉に心動かされて身体震えた時、僕たちは漢を感じるんだろうね
何かに心動かされて泣いたのはこの本がはじめてだったなぁ
熱い小説だった
★★★★★
13巻、あっという間だった。それにしてもすごい小説だ。
劉備の志を孔明が引き継ぐ。志半ばにして、倒れていった男たち。
熱い小説だった。
すべての登場人物が主人公であるということ
★★★★★
通常の歴史小説というのは主人公が決まっているが、三国志には特定の主人公はいない。波乱の時代を駆け抜けていった男も女も、みなそれぞれに生き様があり、個性がある。
そこに、RPGの王様である理由があり、何度も小説や漫画として描かれる理由もあるのだろう。自分がどの登場人物にに感情移入できるか、それこそがこの物語の読み方なのかもしれない。
北方さんの三国志では、そういう意味で公平な書き方がされている。善VS悪の構図はない。
圧倒的な迫力の戦闘シーンに、リアリティ感あふれる心理描写、まるで自分がそこにいるかのような気にさせられる。時には切なく、時には清々しく…。13巻の間に何度もそういった思いを抱かされる。
日本人に向けて問いかけられるかのような、王室の血の問題。400年の漢王室の血は特殊でありそれが1000年続けば神聖なものとなる…、堕落した血は腐っており、覇者によって清められる…。王覇の思想対立にあなたはどのような感想を持つのだろうか。