起業物語として楽しく読める
★★★☆☆
京都にアート系映画館を設立し、運営していくさまを描いた著者の体験に基づく著作である。序章のあと、4章から構成されているが、後半の3、4章は以前に他の形態で公表した文章を再収録したもので、実質的に1、2章、68ページまでが本書の中核だ。
映画館の物件の取得、映画館の設計、運営上の工夫などがやさしい文体でかかれており、起業物語として楽しく読める。
ただ、業界に新規参入する際の資金調達や実際の費用構造、経費や収入などの具体的な事情は(あえて意図的に?)具体的に書いておらず、ビジネスとして映画館という事業を知りたい読者には食い足りないかもしれない。
ビジネス書としてではなく、ノンフィクションとして興味深く読み進められる本です