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映画館と観客の文化史 (中公新書)

価格: ¥903
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
Amazon.co.jpで確認
どうして僕たちは映画館に行くのだろう? ★★★★☆
現在、「映画を見ること」は、「映画館に行くこと」
よりも、「家でDVD鑑賞すること」を指すほうが
多い時代になっている。

金銭的にも、映画館に行くより、DVDを借りる方が
ずっと安価ですむ。また、DVDで鑑賞する方が、
気になるシーンを何度も見直したりできる。

にもかかわらず、僕たちはよく映画館に行く。
高価だし、気になるシーンを見直すこともできない。
それでも僕たちは映画館に行きたくなり、事実行って
しまっている。それはなぜなのか?

この本は、映画を扱う本の中でも、とりわけ映画の
受容のされかたに焦点を当てることによって、上の疑問に
明快に答えてくれる。

それだけではなく、映画という媒体が、映画の作り手と
受け手の双方から影響されながら変身し続けてきたという
事実を分かりやすく例証している。

京都では、八千代館、東宝公楽、朝日会館などの往年の
映画館が姿を消したばかりであるが、そのような時期に
この本が現れたのは非常にタイムリーで意義深いと思われる。

個人的には、スクリューボールコメディと『ツイスター』の
関係について論じる部分の鋭さに圧倒された。
ダントツの面白さ ★★★★☆
さいたま市立博物館の「地方映画館の文化史」という講
座で、講師の田島良一さんが本書を推薦していました。
読んでみるとそのとおりで、特に第1部アメリカ編が抜
群に面白いと思いました。
 昔、山根貞男・波多野哲朗さんらが『シネマ』という雑
誌を出していて、合評会に参加したことがあります。そ
の場で編集同人達は、観た映画の感想を即自的かつ客
観的に書き切ること、それを映画批評の原点にすえると
異口同音に語っていました。その姿勢は、やがて山根貞
男『映画 快楽装置の仕掛け』(講談社新書 1988)などに
結実します。一方わたしは、そのことを映画を芸能史の
文脈で捉えることで果たそうと思ってきました。その視点
からは、本書は必読といえるものです。
 前史にあたるパノラマ館から、ヴォードヴィル劇場、ニッ
ケルオディオンそしてピクチャアパレスと転換していく映
画館の形態のなかで、とりわけ初期には映画の上映と
実演は混交していたという記述には限りなく興味を惹か
れました。
 最後に最近の中公新書について書いてみます。本書
を含め本新書には、新書にしては大部のものが増えて、
あたかも従前の選書をも包含したかのようです。雨後の
筍のように各社の新書が揃うなかで(それらには、版元
の出した『中公新書の森』の言葉を借りれば「雑誌の特
集記事のような新書」も少なくないのですが)、これはひ
とつのあり様であるように思います。
おもしろい! ★★★★★
映画はどういった環境で観られるのか。
なかなか無い観点からのもので
学術書といいながらも
文章も読みやすく
とても面白かったです!

おおまかには世界、日本の
映画環境の通史といったところで
その点に興味の無い方だと
読み進むのは厳しいかもしれません。
もうちょっと分かりやすいとよかったのですが。。。 ★★★☆☆
とても魅力的な内容ですし、本当に独自の視点と精緻な記述というものなのでしょうが、すみません、私には読むのが大変でした。 本当につっかえ、つっかえ。。。 でも、著者の略歴を観てみて気付きました。 これって、学術書なんですね。 そういえば、中公新書ですし。 第三章第一節をちょっと読んでみてください。 「ハッテン場」のことをちゃんと教えてくれます。
まず間違いなく一番面白かった本 ★★★★★
観客と映画を結ぶ「映画館」という媒体を通して見た映画史の試み。これは面白い本だった。普通の映画史の本に載っていないような話を、ずいぶんたくさん知ることができた。初期の映画館(ニッケルオデオン)ではスライド映写される歌詞に合わせて観客全員が大合唱をしていたなんて、普通の映画史の本には決して載っていない。「観客が歌う」という行為は映画と直接関係ないので、映画史からは排除されてしまうのだ。ファントム・ライドというバーチャル列車の興行もしかり。こんなものは普通の映画史の本では、まず絶対にお目にかかれない。著者は映画批評家なので、目の前の現象と切り結ぼうとする言葉の閃きが時折見られることがあるのだが、新書というサイズの問題もあって、この本のではそれは最小限に留められている。むしろそれが、この本のスピード感につながっているようにも思う。著者個人の解釈や考察より、まずは映画館における映画受容の変遷という事実そのものが、僕には興味深く面白いものだったからだ。 他の映画史の教科書ではあまり知ることができなかった事柄の他にも、今まで映画史の中の言葉として漠然と知っていても実態がよくわからなかった事柄について、細かく記しているのはありがたい。例えばそれは、本書冒頭にあるパノラマ館についての記述だったり、ドライブインシアターについての細かな記事だったり、日本映画初期の連鎖劇についての記事だったりする。最近読んだ映画関連本の中では、まず間違いなく一番面白かった本だ。この著者の本を読むのはこれが初めてだったんだけど、他にも読んでみようかな〜。