その思考が必要なのかは分からない
★★★★☆
人生には越えられないものがたくさんあって、でもそれを「知り」そして「思考」出来れば十分であると気づくことが必要なのではないか。小津安二郎の映画を見て思う漠然としたものには、そのような思考がたくさん隠れているのだと思う。だからこんなにも多くのテキストがそれらを形にしようとあがいているのではないか。
「<私>という演算」に書かれているものは、漠然としたあがきに向けられているのではないか。だからこそこんなにも切実に迫ってきて、なおかつ読んでいて心地よい気分にさせられるのだろう。