Thelonious Monk was a brilliant improviser, using his incredible rhythmic sense and his harmonic ingenuity to find new possibilities in his own works or standards while touching on the wellsprings of the blues and early jazz piano styles. Those gifts were never more apparent than in his whimsical and inspired solo performances, like this one from 1959. In addition to the usual fare, Monk could always reach into a treasure trove of pop songs others had forgotten. Here he makes original music out of the ancient and ephemeral "There's Danger in Your Eyes, Cherie," and he manages to do it on two separate takes. --Stuart Broomer
モンクの幸せな気持ちが伝わる
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1959年10月21日・22日、タイトルのとおりサンフランシスコで録音。
1951年にモンクは大麻事件に巻き込まれ、クラブ出演の許可証明書であるキャバレー・カードを没収されてしまう。そして愛妻ネリーの稼ぎで生活を余儀なくされていたが、その彼を救ったのがリバーサイド・レコードのプロデューサーだったオリン・キープニュースだ。彼はブルーノートのアルフレッド・ライオンの自宅で、初めてモンクのレコードを聴いて衝撃を覚え、55年プレスティッジに溜まっていたモンクの借金を肩代わりしてリバーサイド専属に迎え入れた。かくて理解者と安定を得たモンクは傑作を連発するのだ。
このアルバムは特に安定した気持ちで幸せそうに自らの旋律を奏でるモンクを感じることができる。よーく聴くとモンクがぼそぼそ言いながら演奏しているのが分かる。そのぼそぼそした声はグレン・グールドやキース・ジャレットのような粗放なものではないが、自作をピアノに向かい弾く愉しさと幸せを押さえきれない、といった感じがする。その幸せな気持ちが聴くものにも伝わる。モンクのソロ・アルバムでそういう気持ちにさせてくれるアルバムはこのアルバム以外にはない、と思う。ずっと聴いていたい作品だ。
モンクの作品中文句なしの逸品!
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独特の音世界を持つアーティスト。それがモンクです。それゆえに好き嫌いがはっきり分かれる人でもあります。私は、もちろん大好きで、彼のアルバムは蒐集の対象になっています。このアルバムはソロピアノ集で彼の音世界をじっくりと堪能できます。他にトリオ演奏なども所有していますが、彼を深く知るためにはこれがベストです。なかでもおすすめは、2曲目のRuby,My Dearです。どこか現代音楽風を思わせる不思議な音世界です。単にジャズという枠組みでは、くくれない人でもあります。ぜひ!
懐かしい匂い
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ジャズ・バラードというと、どうしても恋愛が主題のものが多いので、男女の恋模様を想起させるものが多い。
でもモンクのバラードは、子供が無垢で透明な言葉をつぶやくような、もしくは、老人が昔語りを飄々としゃべるような、そんな懐かしくも切なく、甘い情緒がある。
日向に座って、いつの間にか寝てしまった日。目が覚めると夕暮れで、なぜか、じわっと涙がにじんだ日。
そんな感覚を今でも胸のうちに持っている人にはぜひお勧めです。
本作収録の”リメンバー”。追憶をたどるような、私的な独白。金子みすずの詩世界を思い出します。
モンクの内的独白
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やさしく、切ない曲が多く、モンクの中では一番好きなアルバムです。いつも暴れているモンクが、ここでは静かに自分に語りかけているような印象をうけます。とても小さな音で、ずっと聴いていたいアルバム。ビル・エバンスやキース・ジャレットにはない孤独さを感じます。
ソロでベストか!
★★★★☆
モンクのソロアルバムは他にヒムセルフとソロモンクを持っているがその中ではこのアローンインサンフランシスコが好きだ。内省的なヒムセルフと快活なソロモンクの録音時期も聴いた印象もその中間。