タイトルからも分かるように前編と合わせて12人の人物が取り上げられている。これらの人物を通じて
① 日本人は新しい価値観を従来の価値観と調和させることで新しい価値観を抵抗感なく受け入れられる。そのため理念と実益が一時的に対立することがあっても、どちらかを犠牲にすることがない。
② 日本には形式的リーダーと実質的リーダーが存在し、それぞれに違った役割が求められる。また形式的リーダーは常に1人であるが、実質的リーダーは常に1人とは限らない。
③ (②の影響があるのかもしれないが)実務においては秩序とプロセスが重視される。
ということを述べている。
日本人(日本)の気質(性質)を説明する材料として気候や風土など主観的で当時の状況をイメージしにくい対象を説明の材料に使うのではなく、人物の業績という客観的でイメージしやすい対象を使うことによって分かりやすさを増している。本書はこの点で高く評価できる。