ラノベの先祖?
★★★★★
小学生のころ、読んでそのおもしろさにびっくりして北杜夫の作品を当時読みまくっていました。
今考えるとライトノベルの原点だったのかもしれません。
ストーリー等は一切書きません。是非、読んでみてください。びっくりしますよ。
It`s ユーモア!!
★★★★★
タローは苦手な算数の宿題を投げ出し、本屋で中身を見ずに買ってきた一冊の本(ベラボーに安い)を取り出す。
その「船乗りクプクプ」という本は、まえがき+二ページの本文+『二百四十四ページの白紙』+あとがき、という奇天烈な本(ノート?)であった。
あとがきを読み終え、あきれるタロー。その直後のメマイ。気付くとそこは見知らぬ砂浜で、ナント自分が「クプクプ」になっていた!
元の世界に戻るため、クプクプは船に乗り込み、著者である「キタ・モリオ」氏(編集者に追われて逃走中)を探す旅に出る―
ここまでが冒頭15ページまでの流れです。(拙い文章ですみません!) ここまで読まれて少しでも「面白そう」と思われた方、是非読んでみて下さい。オススメです!
この本に「冒険活劇」という言葉は似合いません。かといって「単なる滑稽な話」とは絶対に違います。それは随所随所に現れるユーモアと、そのユーモアの中に時折現れる「ハッ!」とするような「北杜夫」氏からのメッセージがスッと心地よく染み込むためだと思います。
文体も小難しいものではなく、いちいち頭の中で変換しなくて良い(笑)のでとても素直に読むことができます。
先を読ませぬストーリー、グイグイと引き込まれるユーモアセンス、非常に読みやすい文体、そして心地良く染み込むメッセージ。小中学生に是非とも読んで頂きたい一冊です。
たのしいなぁ
★★★★★
おかしな題名の本だなぁと手にしたら、迷わず読みましょう。文句なく面白いですから。お話しのなかのキタ・モリオ氏に慣れておけば、ほかの作品も存分に楽しめるでしょう。
この本を手に取ったあなたがクプクプになれるかもしれない。
★★★★★
何となしに手にとって購入した本が、こんなに傑作だったなんて幸運だなあと思います。このお話は、宿題を怠けていたタローが、(私と同様に)何となしに購入した『船乗りクプクプ』という本を読み始める場面から始まります。しかし、この本が他のどの本とも似つかない点は、全ページがたったの四ページだということです。不思議にもその本の世界に入ってしまったタローは、クプクプという主人公になって、航海に出るのです。著者のキタモリオ氏に出会ったり、怠け者の島に辿り着いたり、文明を知る土人に食べられそうになったり・・・。私もタローのようにこの本の中に入れたらなあ、と思ってしまいました。北杜夫氏の柔軟な姿勢や、温かさ、ユーモア、それ以上に大切な読者に訴えるメッセージ。是非、実際にこの本を手にとって実感してほしいです。
著者自身登場のパロディを味わう
★★★☆☆
文庫発行昭和46年。小説の分類に詳しくないが、童話より上、ジュブナイルより下の年代が読書対象と思われる。内容は少年冒険もの。著者を投影した脇役が登場する。物語の舞台に海を選んだのは航海記の影響か。ドイツ土産のガス・ピストルを警察に取り上げられたパロディのような部分もある。途中、「人食い土人」が出てくるが落ちがあるので気になさらず読み進むように。解説は串田孫一、カバーと本文のカットは長新太。