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黒龍の柩 (上) (幻冬舎文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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土方 格好いいぞ ★★★★☆
作者:北方謙三、題材:土方歳三、タイトル:「黒龍の柩」
この3つは、なかなかつながらないのですね。

新撰組・土方歳三といえば、司馬遼太郎作品である「燃えよ剣」が秀逸ですが、敢えて先行する秀作と同じ題材を選択するというのは、いかにも覚悟の上という強い意思が伝わってきます。

北方先生は既にたくさんの歴史小説を脱稿されているので、歴史小説家に分類することに異存はないのですが、元々の出自が歴史分野でないことを考えると、その文章のスピード感や、一人ひとりのキャラクターの描き込みの力は、さすがだなあと言わざるを得ません。

上巻では、池田屋事件から徳川慶喜の恭順に従い新撰組が江戸に撤退するまでのストーリーです。
おそらく歴史小説に「史実」からはみ出すことを求めない方にとっては「ナンセンス」な設定が各所に盛り込まれていますが、結果的な史実がこの作品に描かれた背景に基づいて進んでいたとしたら、面白かったんだろうなという夢にあふれた物語になっています。
この作品の通りなら、函館まで転戦した土方の意図も、確かに「自分の居場所のない新勢力への抵抗」というだけに止まらない「理想」を掲げての内乱だと読み取ることができます。

土方と「あの人」が出会って理想を語り合っていたなんて、幕末モノ好きな人にとっては、「そう来たか」か「ふざけるな」か極端な読後感が出て来そうですね。

北方先生の歴史モノに共通の「壮大な国家観」、「リアルでスピード感あふれる殺陣や戦闘シーン」は、この舞台でも充分に堪能できます。
幕末物へのチャレンジ、実に面白かった ★★★★★
北方謙三の作品は、正直なところ、現代モノより時代モノの方が格段に面白いとおもう。
特に、「破軍の星」は最高傑作ではないかしら。
いずれにしても、ども作品も(これは現代モノにも通じることだけど)悲しく孤独で、破滅的。
一瞬の華やかさが、かえってその後の悲劇的な結末を鮮やかにするような構成になっており、
選ばれる題材の歴史的人物も、当然そのような末路をたどる人たちになっている。

だから、土方か。だから、新選組かと、読み始めた。
時代物は、その時間が既に終わり、我々は多くの事実を「知っている」と言う制約の中で、ス
トーリーが組み立てられるという予定調和のようなお約束がある。
これまでの北方の時代物も基本的にはその枠はこえてなかった。
さぁ、その北方が、この土方と新選組をどう料理するのか、と、ありきたりにはしないだろう
と思いつつ、どうしても通俗的にならざるを得ないのではないかとある種心配もした。

でも、さすがだった。
一読して、なるほどこう来たか。北方は、時代物を史実に忠実に描くふりをしながら、ここに
我々時代モノ好きがほのかに期待する、レバ、タラを持ってきた。巧妙に巧妙に伏線を張って。
いやぁ、感心したなぁ。
途中の土方の語りは小気味よく、主人公が語りすぎとの批判もあるようだけど、北方フアンは
この語りをリズムにして、どんどんと物語に入って行くのではないか。

これは、なかなかの作品でした。
異国の地で一人読む、北方謙三 ★★★★★
自分から行きたかったでもない、なんでこんな国にいるのか。そんな中、久しぶりに北方謙三の作品を読んだ。気がつけば、20年以上読んでいない。期待していた夜と全く違っていた。時の流れは怖いと思います。以前の匂いを求めても詮無い事である。ただ、日本恋しい中、一人暮しの身には、この作品面白かった。
漢(おとこ)とは ★★★★★
久しぶりに司馬遼太郎氏の「燃えよ剣」を読んだのだが余談の多さに読む気を失い「黒龍の柩」を読み返すことにした。

「黒龍の柩」は第一章から第三章の途中まで盛り上がりが無いと言っていい。
しかし山南がなぜ脱走し切腹を受け入れるような行動をとったのか、が解かってくるにつれ途中で本を置けなくなる。
北方氏が書いた「土方歳三」はただの人斬りではない。
「夢」や「人との繋がり」を大切にし闘う・・・真の「漢」を描いている。(まぁ〜かっこよすぎるけど・・・。)
会話が多いという人もいるが余談が多いのよりかはハッキリ言って良い。
サクサクと物語を読み進めることができる。

司馬氏が書かれた「土方歳三=(イコ−ル)ただの人斬り」という書き方にずっと違和感を感じていた。

「黒龍の柩」を読んでしまうと「燃えよ剣」は霞んで見えてしまう。

皆さんしゃべりすぎ ★★☆☆☆
氏の本は今まで現代ものを2度ほど読んでいたが、今まで同様、登場人物がしゃべりすぎる。
情景描写があまりなく会話主体で物語が展開していく構成であるため読むには楽だが芯になるものが見つけられず軽く感じた。
会話が多いがために、会話で人物像が作り上げられ、言葉のはしばしにむりやりハードボイルド感を押し込めたような感じがし、途中からは気持ちが入らなかった。
割り切ってフィクション、創作小説として楽しめばよいのだろうが、それにしては中途半端にリアルだし…
氏の熱烈なファンから言わせれば『それが北方小説だ!』と怒られてしまいそうだが、私には司馬作品の方が自然にのめりこめた。