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森のなかの海(下) (光文社文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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奥行きのある物語になってます ★★★★☆
話が進むにつれて様々な出来事があり、それらが膨らんでいってどんどんストーリーが進んでいきます。
一気に読みました。読後感は、上巻にあった様な勘ぐりは消えて、すがすがしいものでした。人生って分からないから面白い、と思いました。
相変わらず読みごたえあり! ★★★★☆
宮本輝の中編・長編小説は、いつも頭の中に鮮やかな映像が浮かんできて登場人物が生き生きと動きます。作者自らが体験した震災を題材にした小説をとうとう手にした時、これをどのように料理したのだろうとワクワクドキドキしました。地震発生直後の政府の対応のまずさは私も実感していましたので、このあたりのくだりを読んだときは、その時の記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡りました。震災により夫の不倫が明らかになり、このまま閉塞感のほうへ突き進むのか、と思いきや、どんどん希望への物語へと発展していきます。惜しむらくは、話の展開を考えると上下二巻ではなく、5~6巻くらいの長編になってもよかったような気がします。進めば進むほど展開が急になっていったのがやや残念。
何か救われる。。 ★★★★★
「震災」というのがキーワードになってこの本を手に取った。この本のタイトルにある「森のなかの海」それは小説の中では「大海(ターハイ)」と呼ばれる木のことなのだが、すでに逝ってしまった老婦人の心が呼び寄せるかのように、不思議な縁で主人公、その家族、友人、隣人らが集う場所となる。その木は2、3百年を経て数本の種類の異なる木が互いに呑み込み、包み込み、捻じれ合い、絡み合い、さらに呑み込み、包み込み「全てを受け入れて動じず。全ての包み込んで動じず」の大木となる。最初は自分の震災の体験を思いながら、また主人公と同様に不倫が基で別居した友人を思いながら、この本を読んだ。ともすれば目の前の状況の変化や不幸に心がうばわれてしまうが、この小説の中の森や主人公の暮らしぶり、考え方の変遷に心救われる思いがした。
共生ということ ★★★★☆
阪神大震災と同時に主人公に降りかかった不幸なできごと・・・しかし彼女は逆境をはねのけ、逞しく立ち直り、前向きに生きていきます。実に気持ちのいい展開です。
彼女が、森を譲り受けそこで震災で傷をおった子供達との共生するという流れに、無理に抗わず身を任せたところも共感できました。

彼女の行動力には説得力満点の父親の存在が不可欠だったろうと思います。彼女が親から自立しているのかどうかが少し気になりました。

女の園 ★★★★★
離婚した希美子の転機は大震災の日を境に一遍し、家族と仲間が一気に増えた。生き残った子供たちと自分だけが助かったというそんな思いを胸に抱き、他人だけれども被災した子供とのやりとりは、かつての夫と一緒に過ごした月日は何だったと思わせるほど、人としての道理や心情も迫ってくる。
年代や年数を超え結びつきが深くなっていく人間模様が面白い。

自分の過去を、語らずひっそりと亡くなった老女の生き様が次々と明らかになるにつれ、いつのまにか主人公自らの力で、未来が開けてくるのが楽しい。