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15 Big Ones / Love You

価格: ¥1,159
カテゴリ: CD
ブランド: Capitol
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 『15 Big Ones』は、かなりうさんくさげなメディアの大宣伝(「ブライアン復帰!」)を受け、1976年にリリースされた。そして、ビーチ・ボーイズのサマーミュージックの絶頂期だった60年代中期の曲をそろえたLP2枚組コンピレーション盤『Endless Summer』『Spirit of America』の意外なヒットによって巻き起こったノスタルジーを求める波にうまく乗った。

   バンドの創設者にしてオリジナルメンバーであり、きらめくような独創性の持ち主ブライアン・ウィルソンはたしかに復帰しているのかもしれない。だが、もしブライアンが全面的に参加したのだとしたら、それは無理矢理だったのではないかと思わせるようなサウンドだ。それは、チャック・ベリーの「Rock and Roll Music」の気の抜けたカバー(それでもトップ10ヒットになった)を聴くだけで十分わかる。アルバムにたっぷり詰めこまれたカバー曲は、バンドの専売特許だったサウンドのパロディーと呼ぶのがふさわしく、おまけに70年代中期に流行った最悪のプロダクションと混ぜ合わされている。

   けれども、たとえ「Everyone's in Love with You」「T.M. Song」といったマイク・ラヴの気恥ずかしい曲で信頼に“応える”ことになったとしても、このアルバムはリスナーがどれほどビーチ・ボーイズのかつてのサウンドを待ちこがれていたかを教えてくれる1枚だ。正真証明ブライアンが復活を果たした1977年の『Love You』は、『15 Big Ones』とは対照的に評論家たちのお気に入りとなった。たとえ当時のブライアンの悩める心からにじみ出た不思議な音楽観であっても、彼の意志がしっかりアルバムに反映さえされていれば評論家たちは満足だったからだ。

   シンセを多用したブライアンのプロダクションには、濃密なものもあれば音数を最小限に抑えたものもあるが、各曲にはこのうえなく奇妙でごった煮的な面もあいかわらず残っている。無防備なロマンチシズムを前面に出す一方で、ウィルソンの陽気なユーモアのセンスは、風変わりな叙情詞「Johnny Carson」や「Solar System」から、「Ding Dang」「Mona」といった無邪気で軽快な曲まで幅を利かせている。

   25年のときを経ても、『Love You』は当時と変わらない驚きと喜びを感じさせてくれる。このリイシュー盤では、『15 Big Ones』と『Love You』の2枚が1枚に収められ、デジタル・リマスターされている。(Jerry McCulley, Amazon.com)