アメリカ東海岸旅行者必見
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ニューヨーク、フィラデルフィアという東の大都市にある、「知る人ぞ知る」的な美術館3館が紹介されています。メトロポリタンやフィラデルフィア美術館より知名度はかなり劣りますが、いずれも絵画好きならずとも必見の美術館です(コンパクトかつ、混んでいないのも、旅行者にとってありがたいところです)。
日本でのフェルメールの人気もあってか、フリックはかなり知られてきていますが、それにしても、ガイドブックであまり多くのページが割かれることはないので、旅行の際のガイドブックとして役立ちます。ホイットニーはエドワード・ホッパー、バーンズはルノワールで世界トップクラスの収集を誇っています。
ワンテーマのガイドブックとしてとても価値あるものである反面、美術書としては、写真に難があります。美術書ならずとも、あまり見かけないレベルの、目が粗く色付きの悪い写真がいくつも含まれています。まるっきり、TV番組を本の形で「記録」しただけのようにさえ思えてきます。文章は、こちらもNHKの番組そのままで、専門的になりすぎず、一般人には十分満足できるレベルです。
実際に行かれる予定のある方、美術館そのものが好きな方にはお薦めの1巻です。