自分をごまかしてませんか?
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9巻〜11巻は、人間の尊厳について。人間はミジンコやゴキブリと同じじゃない。生きているだけでは人間ではない。尊厳や矜持(誇り・プライド)があって、初めて人間。尊厳についてもっと深く考えたい人には「リアル(井上 雄彦)」も読んでもらいたいです。
黒沢は自分の人生を後悔する。40歳半ばで何も成し遂げていない。そんな黒沢に自分は「ホープレス」だと胸を張るホームレスの男達が言う。自分をごまかせ。なんでも英語で言えば格好いい。現実よりもイメージが大事。しかし黒沢は納得がいかない。
そんなホームレスの男達を乱暴な若者数人が襲う。しかも彼らは自分達の行為の正当性を訴える。「公園での居住は違法だから排除する」と。そして、若者達は仲間を連れて来て、公園を焼き払うと言う。
怯えるホームレスに黒沢は戦おうという。勝ちうると。黒沢の呼びかけにホームレスは応えるか。遂に福本節の「〜しうる」が出ましたね。
黒沢の「人間の尊厳を冒すことは唯一の禁じ手。それをやられたら人は奮い立つしかなくなる」とはまさに真実。そして、自分勝手で全く話の通じない輩(無知な若者)。これも現実。だって、こういうヤツいるもん。