応仁の乱
★★★☆☆
マンガ 日本の歴史〈22〉王法・仏法の破滅―応仁の乱 (中公文庫) 前巻に引き続き、政治的には無策の室町幕府は将軍自体も補佐官たちも、栄耀栄華を求めて、町民、農民の暮らしなど一顧だにせずに時代を突き進む。
将軍家のお家騒動や、管領家のお家騒動が応仁の乱へと発展するのだが、結局のところ政治的に何の意味もなければ何の解決も起きなかったとしか考えられない。
室町幕府は初代の尊氏が、執権政治に引導を私、源氏系が将軍として君臨するために立ち上がり、そして、後醍醐天皇の親政をも知りぞけ、武家の政治を守った。
しかし、武家が政治を担当することの意味をあまり深くは考えていなかったような印象を受けざるを得ない。つまり尊氏がノープランで開幕したが、結局幕府が何をするべきか理解することなく、時間が経過しただけではないだろうか。
政治や行政が滞り、あまりにも無道であるがゆえに、町民は自立し、僧は本格的に武装し、農民は一揆を起こし、それぞれの身分の人間が立ち上がった。この視点では充分に室町時代というのは意味を持った時代だと思われる。
そして、武士の中でも旧来の公家大名・守護大名も、地下の国人などの協力なしでは目的を達成できなくなってゆくのだった。