それぞれのリアル
★★★★★
すでに大傑作であろう「リアル」の第二巻。戸川の「REAL」を主題においた巻。いわば物語の根幹をしっかりさせる為に必要であったのであろう。本巻によって「リアル」の世界観は土台が出来、後世に残ることに決定した。
最高です
★★★★★
現在5巻まで出ているこの「リアル」ですが、この2巻が一番好きです!!泣きました!!
まず、野宮がカッコ良いです。努力家で仲間思いで良いヤツなんだけど…故に空回りして最後の試合には…。悲しすぎです。
戸川の最後に私は泣きました。彼も努力家で良いヤツなんですが、野宮とは違う形で…。
とにかく良いです。大体1年に1冊のパターンで出ているので、まだまだ遅くはありません。1巻から買って読むことをお勧めします!!
それぞれのリアル
★★★★★
自分の肉体に起こることだけは、絶対に他人と共有できない。だから、体に起こることは、その人間にとって絶対的な現実となる。そして、生ある者は「生老病死」から逃げられない。「生老病死」は理不尽なものだ。「なぜ自分が」と問いかけても、答えはない。(戦争やテロなど人間が作りだす「理不尽」よりはずっとましだが。)
主人公三人はもちろん、描かれる人々すべてが存在感にあふれていて、それぞれの痛みや思いがまっすぐに伝わってくる。とりわけ、清春の父親には心を揺さぶられた。彼もまた、彼のリアルと格闘している。心の傷から血を流しながら。
読んでいるあいだ、頭のなかで鳴っていた言葉がある。ヴォネガットの小説で初めて知った、聖書のなかの一節だ。「神よ、私に与えてください。自分では変えることのできないものごとを受け入れる諦念と、変えることのできるものごとを変える勇気を。そしてその二つを見極める叡智を、常に」
「この体で行けるところまでは行った」と清春に話す山内の目は、きっと澄み切っていることだろう。人間はこんなにも強くなれる。彼は清春の道を照らす灯台だ。野宮や高橋、そして私たちの道も。
ページをめくるのが惜しいような作品。第三巻も心して読みいたいと思う。
自分を受け入れる難しさ
★★★★☆
リアル(現実)は時として残酷である。
交通事故にあって障害者となった高橋は自分を受け入れられないでいる。リアル(現実)の喪失である。
また、戸川の過去のリアル(現実)の喪失も徐々に明らかになっていく。
わたしたちは、どんなときでもありのままの自分を受け入れられるか?
もし、自分が大きな病気になったら?もし、交通事故にあい障害者になってしまったら?
人間には、二種類の人間がいる。リアル(現実)を受け入れられる人間、そして、リアル(現実)を受け入れられることの出来ない人間。
前者になることはとても難しい。
しかし、絶対的なリアル(現実)は、残酷なまでにすべての人間にその選択を要求する。
高橋や戸川はその選択に苦しむ。
これは、高橋や戸川のリアル(現実)であり、わたしたちのリアル(現実)でもある。
清春の過去
★★★★★
リアルは主人公が3人いるが、単行本の表紙になる人がその巻のメインになっている。1巻は野宮、2巻は清春。今回は清春がなぜ足が不自由になったのかが詳しく描かれている。
このマンガの魅力はスポーツよりも主人公達の人間性が深く描かれていることだろう。発刊は1年に一度のペースだが、それがかえってじっくりと深く描くことができることにもなっていると思う。