英語の語源に関する本は、洋書の『Merriam-Webster's Vocabulary Builder』や『語源でふえる英単語』など、いくつかあるが、本書は類書と比べ、読み物としての性格が強い。
1つの英単語に2ページを割き、たとえばカナリアなら、野生の大きな犬(ラテン語でcanis)がたくさん生息していた紀元前のカナリア諸島の話にまでさかのぼり、もともとは犬を意味した語が変化したことを明らかにしている。ほかにも、「accessory」は共犯者の意味だった、「McDonald」のMcは息子の意味だった、「girl」は少年の意味だったなど、興味深いトピックが数多く紹介されている。
取り上げられている単語の数自体はさほど多くはないが、ひとつひとつの単語の語源について詳しく述べられているので、一度読んだら忘れない。一般にはあまり知られていない話ばかりを厳選しているので、教養として覚えておくのもいいだろう。(土井英司)
読みやすさの代償
★★☆☆☆
英語の語源にさかのぼり、意外な一面を垣間見せてくれる。
だから、「垣間見る」ことに満足できるかどうかで
本書への評価は分かれると思う。
フランス語やラテン語にまでさかのぼりながら、
訳語をならべるにとどまり、
そのことばのもつイメージに
ふみこむ度合いが小さすぎる気がする。
易しい文体で最高の水準
★★★★★
英語の難解なレベルの語源から出発するのでなく、日常的になんとなく理解できなくも見過ごしていたことを歴史と民俗学的な広い視点から英語の語源を学ぶ楽しさを引き出してくれる本。中学生レベルでも読めて楽しい。日本人全員に読ませたくなる絶品です。
英語嫌いも食いつきやすい
★★★★★
英語が嫌いな人でも多少勉強したことがある人なら
とても感銘をうけるだろう。
また、英語を専門に学ぼうと思う人にも英語の変化、
英語史に興味をもつ良い機会を与えてくれると思われる。
一度読んでみれば得るものは必ずあるだろう。
まさに英語のトリビア!
★★★★★
語源を知ってボキャブラリーが増える?そう簡単に物事は進まないかもしれませんが、英語の勉強をしているのではなく、読書として十分楽しめます。知らない単語の語源よりも、むしろ知っている単語の語源だからおもしろい。「オクラ」が英語だなんて知っていましたか?英語の単語と文法に隠された歴史の流れに、思わず「へえー」ってうなってしまいます。
じわじわと役に立つ
★★★☆☆
外国人の名前をみたとき、この人はどこ出身なのかな?
この商標の名前の意味は?
など、身近な英語に親近感を覚えたり、
人間の勘違いの歴史を垣間見たり出来る一冊。
この本からボキャブラリーを増やすことはちょっと難しいけれど、
じわりじわりと役に立つと思います。