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“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

価格: ¥648
カテゴリ: 文庫
ブランド: エンターブレイン
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どこか救われない ★★★☆☆
文学少女のシリーズには珍しく
誰も救われないエンディングになっています。
琴吹ななせは、この作品で悲しい想いを経験しました。
それが残念に思えます
“地獄の業火に身を焼かれながら、それでも天国に憧れる” ★★★★★
“謎の美少女作家”だった井上心葉(このは・♂)と、自称“本を食べちゃう程すべての物語を深く愛している「文学少女」”の天野遠子をメインに、文学作品を彷彿とさせる事件を描いた作品の第4巻です。

今回は、琴吹ななせの親友である水戸夕歌が行方不明なった事から「オペラ座の怪人」を彷彿とさせる物語が綴られます。
オペラ座の怪人と言えば、「金田一少年の事件簿」で有名になった「地獄の業火に身を焼かれながら、それでも天国に憧れる」という台詞がありますが、まさにこの台詞そのままの様な物語です。
プロの道に進まずに教師になった毬谷敬一も「天国に憧れるファントム」の側面を隠し、鏡粧子は「天国に憧れる」あまり「地獄の業火に焼かれ続け」、もう一人の井上ミウだった臣志朗もまた「ファントム」でした。
彼らが隠してきた事実を見聞きし、夕歌の幸せを明らかにする事で、2人の井上ミウは自分が誰かを幸せにする事ができたのだと知り、前を向こうとします。

水底に沈殿するヘドロの様に非常に黒く重く纏わりつく話ですが、幸せや希望が随所に添えられている事で、哀しくとも美しい物語に仕上がっています。

『……悪がどんなに大きかろうと、夜はやはり静かで美しく、この世には同じように静かで美しい真実というものが現在も未来も存在するのだ。 そして地上の一切のものは、月の光が夜と溶け合うように、その真実と溶け合うことをひたすら待ち望んでいるのだ……』
     ―本文より・チェーホフ『谷間』
“文学少女”と、「オペラ座の怪人」。才悩人達。 ★★★★★
琴吹さんファンの皆さん、お待たせしました! 彼女の出番です!! 正直、今後も不憫であり続けてしまう彼女ですが、確かに輝いていました。

しかし、この巻も悲劇満載。水戸さんの人生には色々考えざるを得ず、「天才」の結末には同情を禁じ得ず、そして何より。心葉の小説と過去に対する思いに、どう感じてしまうのか。
……全ては、琴吹さんの「あの一撃」に篭められているのか。あれが無かった時の事を考えると、あまりに救いが無い。

今回、遠子先輩は「堕ちた天使」に救いを与える以外ほとんど出番がない……。少なくとも、もう「才能」に悩み、逃げる事はなくなるはずでしょう。

最後、いよいよ戦慄を禁じ得ない展開を匂わせていました。 次の巻はどんな悲劇となり、誰が救うのでしょうか。

推奨BGM:BUMP OF CHICKEN「才悩人応援歌」
おすすめのシリーズです。 ★★★★★
今回の話は、今までで一番重かったです。
正直、哀しいと思います。胸に、きっとこの本に出てくる琴吹が感じているであろう「悲しさ」が、のしかかります。
小説の季節が冬なので、雪のように胸に哀しみが静かに積もるような感じがしました。
けれど、読後感は悪くはないのです。

「文学少女」が、語る言葉が、優しい、ささやかな仕草が、〈心葉〉を癒やすように、勇気付けるように胸に染み込みます。

遠子先輩すてきって思うようになった。
このシリーズは、一冊目を読んだ時から気に入ってましたが、だんだんと本を開いて「遠子先輩に会いたく」なっている自分がいました。
最初は変わったキャラクターだなぁくらいにしか思わなかったのに。
ちょっと心に陰を持った心葉君も、「繋がれた愚か者」あたりから少しずつ前向きになって来ていて、その成長が嬉しくなりました。彼の抱える葛藤や心理描写も、私はたまに共感ができて引き込まれます。


今回は、あまりにも哀しい境遇の女の子と、ほぼメインで出てくる琴吹ななせ、その他、学校の先生などが絡むお話です。

ボーイソプラノが好きなので後半はとても魅かれて読みました。どんな歌声なんだろう。
「この世で一番憎んでいるものを、この世で最も愛さずにいられない」という才能への嫉妬心も、想像することができる。何かに強く憧れるとき、愛すると共に人は皆、嫉妬もするから…。


ダークな部分もある小説ですが、貴方の心にも、もしかしたら何か残るのでは。
もしかしたら共感する部分や、クスっと笑えて和む時間があるかもしれない。

お気に入りの登場人物がいるかもしれないし、知っている作品が登場して紹介されているかもしれない。

私は、文章とストーリーとイラストが好きです。つまりこのシリーズがまるごと好きです。ちょっと傷つき易い人の方が引き込まれる本なのかもしれません。
ななせさんへの気持ちが揺さぶられる! ★★★★★
 私は,いつもじゃれている遠子先輩と心葉君の強い精神的な繋がりが感じられるシーンが大好きで,ななせさんが2人にどう関わってくるのかと心配しつつも注目して読みすすめました。そういう意味では先輩の出番は少なく,正直,ちょっと挫折しかけました。
 読んでいくと,ななせさんへの読者としての好悪感情がすごく揺さぶられ,読前は遠子先輩と心葉の間に割って入ってしまって,みんなが微妙になってしまう不安を感じていたのに,読後は,ななせさんが強い意志を持って立っているまっすぐな個性として丁寧に描かれたことで,心葉君にとって,遠子先輩とは違った形で,大切な支えになるのだろうと実感できました。
 読み終わると,「さあ,これまで竹田さん,芥川君,ななせさんらのことが語られてきて,心葉君の周りには,一度はやめたはずの密な人間関係が再生されてきました。遠子先輩との出会いからはじまり,過去に立ち向かう準備が整いました。」という感じでした。
 次巻,どんな物語が待っているのか,心葉君に安寧が訪れるのか気になるのはもちろんですが,遠子先輩がどんな想像を発揮してくれるのか,はてさて進路はどうなるのか,一杯気になりました。