端正な文章と、うっとりさせられる野原の花たち
★★★★★
ブライアン・ワイルドスミスの教えも受けたというイギリス人女性作家ワッツの、グリム童話に忠実なテキストとパステル調の絵がすばらしい「赤ずきん」です。
おばあさんの家で赤ずきんを待ちかまえるオオカミのページでも、ベッドまわりの配色の美しさに息をのんでしまいます。とりわけ、森の中には、赤ずきんでなくても道草したくなるような、それはみごとな花畑が広がっています。日をあびて燃え立つ野原を表わす黄色と、補色関係にある紫か、それに近い濃い青で描かれた花たちのコントラストがみごと。こんな絵本を毎日見せていたら、将来は画家さんかも?とさえ思ってしまいます。