初めての仕事と恋の始まり
★★★★★
ローラの小さな家シリーズの中で、この回の特筆すべき点は二つ。
初めてローラが働くようになる事と、
将来の伴侶となるアルマンゾとの馴れ初めが書かれている事でしょう。
しっかり者ながら、まだ子供でアルマンゾのモーションに気が付かない(笑)ローラ、
その姿をハラハラ・ドキドキしながら見ているとうさん、かあさん。
とても微笑ましいお話となっています。
ほんとうの豊かさとは
★★★★★
挿絵は岩波少年文庫のものが好きですが、訳は講談社青い鳥文庫の方が好きかな。
グレイスがグレースと書かれている以外は。
この物語では、ほんのちょっとしたものでも素晴らしいもののように描き、町の催しについても、そんなことがそんなに面白いのだろうか、と思うほど愉快そうに描かれているように感じるけど、それだけこの頃は、娯楽が少なかったんだろうな、とも思います。
前のシリーズでも、続きものの物語が書かれたものをもらっただけで大喜びでしたし。
現在では、物も娯楽も溢れている。でも、毎日つまらないと不満顔の人も多い。
はたしてどちらが豊かなのだろうか。
ローラの精神的成長が見れる
★★★★★
これまでの作品と違って、穏やかな日々がつづられています。
大事件といえば、トウモロコシ畑にブラック・バードが大量に
襲ってくるところでしょうか。
ローラは日々家族のお手伝いをし、勉強もして姉のメアリが
大学にいけるようにと願っています。
ここでローラは始めて町での仕事をすることになり、お給金は
メアリのためにと母にそのまま渡します。
また町も人々が集まってきて、学校や教会での催しが盛んに
なってきます。そしてローラとアルマンゾとの出会いも…
随所にローラの精神的成長も見られて、驚いたりやさしい
気持ちになったり。
ぜひ自分の子供にも読ませたい一冊です。
ティーンエジャーのローラも大人に近づく
★★★★★
この巻の舞台は、デ・スメットの街、学校、教会、郊外の原野。学校では意地悪い子にも会い、街のお店などで労働経験を積み、教員免許を取り学校で子供たちを教え、得た給料で姉の大学行きを助ける。ティーンエジャーのローラも大人に近づく。名刺を作ることを覚え、パーティーなどで、人々とのお付き合いが始まる。アルマンゾの彼女への好意も感ずるようになる。
この巻で触れられる6月のバラは、以下の巻でもしばしば登場し、後にローラの子供の名前ローズに実ることとなる。
ローラの変化にびっくり
★★★★☆
前作までは人混みが大嫌いで開拓農地の暮らしが大好きだったローラ。
ところがこの本では、さまざまな催しものやクラスメイトとの交流の面白さに気づき、むしろ社交的ともいえるほどに成長したローラの姿が描かれます。
ローラも家族だけの世界から、より広い世界へと羽ばたいているんだなぁ。
ただ「長い冬」までは小学生でも充分に理解できますが、この作品以降のシリーズは、中学生以上、できれば高校生以上でないと、本当の面白さはわからないかも。ボクも、大人になって再読した時、初読の時により数倍おもしろく感じたものです。
特にスペリング競争って、小学生の頃に読んだときは何やってるのか、あまりよくわかりませんでした。