まず視点が全然違うからかな?と思います。前回は場所(名所)や建物、道中の描写など「物」を対象にしたコメントも多かったのですが、今回は圧倒的に「人」に焦点が当てられているということが大きな違いになっています。
現地の人々のインタビュー(これに関するコメントや、ふと我に返った発言などが破壊的に面白い)がこまめに繰り返されているのもいい味をだしてます。
途中のベトナム現代史(大国の権力抗争)を「暴走族勢力争い」に置き換えた説明は見事!としかいいようがありません。「なるほど!」と納得できる説明でした。またこの説明が本書全体のベースになっていて、各所でいい「出汁(ダシ)」をきかせてます。
やっぱりどんな場面であろうと、結局は「人の琴線を震わせるのは(基本的に)人」なのかなぁ。と思ってしまった楽しい一冊です。