中島みゆきの「夜会」がスタートした時、コンサートでも演劇でもミュージカルでもない、独自のジャンルがするりと確立してしまったことに驚いた。似たものはあるかもしれない。しかし「夜会」の持つ歌と芝居のバランス、音楽とストーリーとの配合は明らかにめざましいくらい独自だ。当初は歌以外の部分に今ひとつの未消化感を残してもいたが、それも回を重ねる毎に解消され、今や「夜会」に代わる「夜会」なし。日本の誇る世界のブランドと言えよう。
本作は初回から12回目まで、13年間に渡って紡がれた名曲、名場面集。映像未公開のVOL.12ウィンターガーデンまで楽しめる。やはり歌をメインに楽しむムキが多いと思うが、舞台装置や照明、衣装も、毎回演劇人もびっくりの凝りようなので、一通り見終わったあと、ぜひもう一度DVDを回して欲しい。なぜなら、一見シンプルに見えて、だがしかけられたタクラミの量がものすごいステージだからである。装置ひとつがオブジェのように美しく、衣装が歌を悲しいほどひきたたせる。この空間を連続して見られるだけでも、大きな価値があると思うのだ。(岡野宏文)
ユーミンVSみゆき
★★★★★
松任谷由実の「シャングリラ」に対抗していたのかなんなのか
中島ワールド全開の作品集「夜会」。
そもそも「歌と舞台のコラボレートの実験場」として始まった夜会。
その13作までが収録された作品。
ユーミンとはなにかと比較されがちだが松任谷正隆とのコンビで作った「シャングリラ」
に比べると「一人遊び」的な「中島ワールド」は完璧。
一度彼女の魔法にかかると二度と抜けれないパラドックスを垣間見る事だろう。
それだけ普遍的で不条理な世界観は彼女しか作りしえない世界観かもしれない。
夜会ファンには楽しめる
★★★★★
CDやコンサートとはまったく異なる「中島みゆき」を見ることのできるのが「夜会」です。
このDVDはそんな夜会のシーンの総集編なので、夜会を知らない・観たことのない人には分かり辛いものだと思います。
ただ、夜会を直に観た方ならあの時の感動がよみがえる……そんな作品だと思います。
夜会の総集編
★★★★☆
この作品は、夜会DVDを全部観てから、総集編として観たほうが楽しめます。
選曲は悪くないのですが、必ずしも各回のストーリーを象徴したものばかりではないので、
夜会に興味を持った方が初めて観ても、少々消化不良感が残るかもしれません。
夜会の雰囲気を味わいたい方は、気になった作品をどれでもいいからとことん
観ることをお薦めします。
個人的には、少しですが1989年のVOL.1とウインターガーデンの映像が観れたのがうれしかったです。
特に「記憶」は純白の衣装と槲の樹のゴンドラが何とも美しく幻想的。
楽曲もすごく良くて、何度も繰り返し観てしまいます。これだけでも買った価値はあったと思います。
みゆきさんの夜会は歌詞とセリフをしっかり追わないと意味不明になるので、観るときには相当の集中力がいるのですが、
このDVDは、ミュージックビデオのような感覚で何気なく流しても楽しめます。
欲を言えば、夜会の簡単な解説が付いていれば、初心者の方のガイド的な役割も
果たせたのではないかと思います。
あの時の涙が・・・
★★★★☆
このDVDの作りはちょっと理解しにくい部分があるのだが、う~ん、魅力といえば、①初期の映像も、なぜか5.1サラウンド音声再生が可能②ウィンターガーデンの二種類の映像が観られるというところが一番の魅力か。最後の映像は待ちに待った映像だった。みゆきさんの精一杯歌っているところを見入るように観てしまった。ただ・・・・ツンドラバードなどの短縮化は実に惜しい・・・いいタイミングで切り替わってしまっていた。 そしてハイビジョン撮影を行っていないことがわかってしまった・・・。なんとも複雑な作品・・・。
ウィンター・ガーデンが見られる
★★★★☆
ライフワークとしての「夜会の軌跡」、もう少しボリュームが欲しいところ。
曲の選択にはそれぞれ意見があって、満足できないファンも多いだろう。けれど、映像が公開されていない「ウィンター・ガーデン」が部分的にも見られるのは嬉しい。2回目のラストシーン「記憶」は必見。