2000年にウェンブリー・スタジアムで収録された『ファミリアー・トゥ・ミリオンズ』は、オアシスがほぼ10年にわたって君臨してきたことだけでなく、彼らをいまだにステージでみられるという奇跡をたたえるものでもある。さらに、ウェンブリーに到達する以前にも数々の問題（とりわけ、ヨーロッパ・ツアー中、家に残っていたノエル・ギャラガー）を抱えていたというのに、新メンバーがまったく遜色ないプレイでかきむしるギター・サウンドを生み出している。彼らはまるでつながり眉毛兄弟と共に演奏するために生まれてきたかのようだ。セット・リストは、賢くも近作からの曲は最小限にとどめられた。その代わり「Cigarettes And Alcohol」「Wonderwall」「Supersonic」「Shakermaker」「Don't Look Back In Anger」「Champagne Supernova」、そしてニール・ヤングの「Hey Hey My My」の素晴らしいノエル・ヴァージョンなどの人気曲が集中している。ライヴ自体の影像はこのDVDのほんの氷山の一角にすぎない。特典は、ディスコグラフィー、ライヴ用に特別に撮影されたグラフィックス、マルチアングルによる「Cigarettes And Alcohol」、そしてレディオヘッドのドキュメンタリー『Meeting People Is Easy』にも関わったグラント・ジーによるドキュメンタリー。しかし、このDVDで一番おもしろいのはゲイリー・クロウリーによるライヴ前の兄弟のインタビューだろう。元コカイン中毒のノエルは『(What's The Story) Morning Glory?』のレコーディングで覚えていることは何一つないと上機嫌で認めているのだから。（Warren Wayans, Amazon.com）