もう最高
★★★★☆
東京が空襲で灰になっていく過程を描いた日記。戦時下の世相を知りたいと思って読んだのだが、その目的はあまり達せられず。でも、読んでる最中に、百けん先生のユーモアセンスというか、だらしなさというか、にもう脱帽! 会社(当時、日本郵船に勤めていたらしい)には、ほとんど毎日「午後出社」、または「不出社」。そして、空襲で家が焼けようが、食い物に困ろうが、とにかく酒、酒、酒。酒を2合ばかり工面してきた奥さん(本妻ではないらしい)を「烈女なり貞婦なり賢婦なり天晴れ天晴れ」。
飄々とした著者の姿が想像され、空襲を描いたってのに、楽しくなってくる本。