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テロリストのパラソル (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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中年作家の妄想世界 ★★☆☆☆
文章は簡潔で読みやすく、悪くない。偶然に頼るご都合主義にも目を瞑ろう。だが、主人公を取り巻く設定があまりにマンガ的(全共闘?東大中退?元ボクサー?アル中のバーテンダー?)で物語ではスーパーマンだ(笑)。若い娘がアル中の汚いオジサンに惚れることは絶対にない。作者は自分と同世代を主人公にして夢を託したのだろうが、あくまで中年作家の妄想に過ぎない。全共闘の成れの果てのアル中を美化しての「世代」の誇示は、ある種のコンプレックスの裏返しにも見える。それにしても、乱歩賞や直木賞の選考委員は『本宮ひろ志』の読み過ぎじゃなかろうか? 荒唐無稽な妄想小説。
ハードボイルドというよりも人間ドラマ ★★★★★
*自分のブログに書いたものと同一内容です。

いやぁ、面白かった。
xx賞受賞なんてのにロクなものはないのだが、これは面白い。

アル中バーテンダーのハードボイルド的なものを想像して買ってみたのだけど・・・
ハードボイル・・・的ではある。
ミステリ・・・的でもある。
でもやっぱり人間ドラマというべきか。
真の黒幕は事件の発端と同時にそれと知れる。
が、そこに至るまでのドラマが面白い。
また謎解きシーンで、(ドラマ的に)意外な事実が知らされる。
レールの先が見えているジェットコースターストーリーとでもいうか。

夜中の2時頃に夜食を食いながら読み始めたら止まらなくなった。
結局読み終わったのは午前5時。
一気に読まされました('Д`)
駒場共闘伝説 ★★★★☆
1968年12月の東大駒場での革マル派と早稲田を叩き出された社青同解放派との血を血で洗う内ゲバと無期限バリストを破壊せんとする日共=民青、右翼との暴力的衝突は大晦日まで15日間にも及んだ。この小説の舞台となる第8本館は東大全共闘=駒場共闘の拠点で革マル派と社青同解放派、フロント(自治会執行部)が立てこもっていた。ある時ノンポリ学生が民青が8本を攻撃していると通報してきたのでわれわれは鉄パイプで武装して包囲した民青と右翼に殴りこみ頭をめった撃ちにして蹴散らした。頭から血を噴出して倒れた民青を私はさらに殴ったが東大の教員に羽交い絞めにされ止められた。止められなかったら死んでいたかも。この小説の舞台と背景はそんなもんである。藤原伊織はこの第8本館に立てこもった駒場共闘に属していたかどうかは知らない。藤原は東大卒業して電通に入っているから活動家ではないのだろう。しかし駒場共闘の第8本館篭城のことは東大の学友に聞いて大体知っている。まあこの小説みたいなもんである。年が明け1月東大本郷の図書館前で全共闘と民青の大規模な衝突があり1・18、1・19の「決戦」となだれこんでいく。お正月気分などない戦いにつぐ戦いで睡眠もとれず暴れたのは若かった(20歳)からだろう。藤原の冥福を祈る。地獄で会おう。
私の読んだ江戸川乱歩賞受賞作の三つ目。評判倒れの凡作。 ★★☆☆☆
江戸川乱歩賞と直木賞のダブル受賞作と期待して読み始めた。

だが「どうしてこの程度の作品が・・・」と思わざるを得ないのだ。

まず主人公の人物設定が荒唐無稽過ぎ、到底納得できない。

東大中退の元過激派で、世界タイトルにも挑戦できる才能がある元プロボクサー。だが、現在は、アル中の40代男。東大中退に全く未練はない。

こんなヘンテコリンな人間が世の中にいるだろうか。

なるほど、文章は、短く簡潔でよませる文体である。だが、本作品よりも『誘拐児』ともう1つの作品(名前を忘れた)の方が、推理小説としては、よくできていると感じた。

これは読者としての読後感ではない、江戸川乱歩賞に応募しようと思っている作者の立場の感想である。

確かに、本作品と比べると、上の二作の文章は劣るけれど、ストーリーの展開には工夫していると感心した。

これから江戸川乱歩賞の全受賞作を読むつもりだが、本作品は、賞をとった作品が必ずしもよくないという一例である。

善悪の判断は評論家や他の人とがするのではない。あくまで自分がするものである。


端正な文章と派手な事件。 ★★★★★
藤原伊織さんは大好きな作家さんの一人なのですが、

特にこの作品は大好きで、もう何十回となく読み返しています。

江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞しています。


新宿中央公園で起こった爆弾テロ。

そこに居あわせたアル中のバーテンダー島村。

そこには彼の大学時代の恋人と、親友も居あわせ、命を失ってしまう。

彼は過去に起こした事件から警察に疑われるが、

逃げながらテロの真相を探るうちに、意外な犯人に突き当たる。。。



直木賞の選考の際、選考委員の阿刀田高さんが

「なによりも文章がよい。“人が歩き電車が走り犬が吠く”といった普通のことを書いても味がある」

とこの作品を評しているのですが、ホントその通りだと思います。

淡々と進んでいくようでも、登場人物の魅力がきちんと描かれ、物語に引きこまれてしまいます。

何といっても主人公が魅力的!

中年でアル中でホームレス1歩手前くらい。

セーターは穴があいてるし、音痴だし、鈍感。

でも生き方や思考がものすごくかっこいいんです。