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ひまわりの祝祭 (講談社文庫)

価格: ¥864
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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もっと未来があったはず ★★★☆☆
まだみぬゴッホの八枚目のひまわりを巡る作品。

テーマとしてはとてもロマンがあって序盤は高揚を誘うが、
どうもストーリーの流れが強引で、先の言い訳を事前にされているかのような展開で気持ちがよくない。
たとえば留学先のアメリカで射撃場へ行くことや、主人公の義理の弟がヤクザであることである。
都会の中心で隠居生活を送る主人公の過去としては、ずいぶんと先の読める話だ。
もちろん多額の金が動けばブラックなマーケットにもその影響が及んでくるのは言うまでもないのだが、
だからといって話の起伏のために銃撃戦をしたり、それを成立させるためにアンダーグラウンドを取り入れたりなど
創作だからと言って、理屈さえ通れば良いというものでは無いのではないかと思う。

言い回しは魅力的だが、何故か今作ではくどい程に同じ言葉を使うので、回数を増すごとに不愉快になる。
同作家の前作である「テロリストのパラソル」の方がずいぶんとキレや緊迫感がある。

藤原伊織作品全般に言えることだが、登場人物や設定があまりにも酷似しているので
何か一作だけ読んで、気持ち良いうちに離れてしまった方が良いように思える。
それだけ質が高く中毒性のある文章を書ける作家だ。
この作品も、もっと良い方向に導くことができただろうと思ってしまうのが、とにかく惜しい。

駄作では決してない。でもどうしても厳しくなってしまうのは
藤原伊織作品の敵は藤原伊織作品、だからだ。
ゴッホの世界への心の旅 ★★★★★
「テロリストのパラソル」に続き、この作品も日本から海外への「心の旅」を体感できました。今回も 文章の中に、「名文」をいくつも発見でき、1文で、心の琴線を震わせることのできる、すばらしい 表現力、描写力を感じます。クライマックスの場面は「川端康成」の「雪国」の最後の情景を思い浮かばせました。 本当に、悔しい気持ちです。この先藤原さんの、作品が 表れてこないことは。
妻への愛は本物 ★★★★☆
世捨て人となって生きる気力を亡くしていた男のもとに、昔の同僚が訪れるところから事件が始まっていく。ストーリはいつも通り読みやすくページ数が多かったにも関わらず引き込まれた。お金に執着がなく面倒なことを嫌う男だが、面倒に巻き込まれるのを受け入れたのは妻の自殺の真相を究明したかったからであり、妻への愛は本物だったと思う。妻の自殺の真相が意外と単純だったのはがっかりだったが、最後に絵を燃やしてしまうのはなくなった妻と妻に似た不幸な女性への送り火ということでよかったと思う。
読後は不満が残る ★★★☆☆
この作品の柱は二つ。妻の自殺の真相と、名画「ひまわり」の8作目の存在だ。
後半でもっとこの二つが絡んでくるのかと思ったが、ずっと平行線のままだった。
8作目の「ひまわり」がなぜ世の中に出てこなかったのか、その理由もすっきりと
しない。ストーリーもそれほど盛り上がるわけでもなく、淡々と展開されていく
感じだった。登場人物の描写がもう少しあれば、ひとりひとりの個性がもっと見えて
くるのではないだろうか。結末も物足りない。想像はついたが、もっと別の結末を
考えてもよかったと思う。最後まで飽きずに読めることは読めるが、読後はいろいろな
不満が残る作品だった。
主人公のクールさに感銘 ★★★★★
読み始めてから、主人公の周りに起こる展開がスピード感溢れ一気に読める作品です。
登場人物も個性的ですが、何より主人公のクールさに小生は惹かれました。
流石、伊織氏の作品です!