う〜〜ん・・・
★★★☆☆
若い女性が連続して殺される事件が起きた。被害者は皆、手の人差し指を切り取られていた。
犯人の狙いは何か?一方、ネットの掲示板には殺人予告や殺人実況中継が!!捜査一課の
西條は、持ち前の鋭い洞察力で犯人に迫ろうとする。だが、恐るべき罠が彼を待っていた・・・。
連続殺人事件を軸に、その捜査に関わる者たちを克明に描き出している。真相究明、犯人逮捕・・・。
同じ目的に向かって進んでいるはずなのに、立場の違いからさまざまな問題が噴出してくる。
憎悪、確執、ねたみなどがむき出しになり、人間関係の醜さが浮き彫りになる。そんな中、
犯人像が掴めないまま、彼らは右往左往する。そして、真相に迫ろうとする西條も窮地に
立たされる。
登場人物が多すぎて、最初ひとりひとりの人物像がつかみづらかった。また、500ページという
長さは本当に必要だったのか?という疑問も感じる。読んでいて途中で退屈さを感じる部分が
あった。犯人も途中から分かってしまい、面白さ半減だった。犯人の動機も弱いのではないか?
いまひとつ、のめり込めない内容の作品だった。
分厚い本でしたが
★★★★☆
読み始めるにつれ、一気に読み進めたくなるほど読みやすかった。
殺人の中の1つに、都合のよさ(フィクションぽさ)を感じたが、後はつじつまが合い納得できた。
分厚い本も読み進めていくと、ついに残りのわずかなページですべてがわかってのかという寂しさを感じた。(私は最後まで犯人がわからなかった)なかなか読み応えを感じる1冊だった。
デビュー作「慟哭」のリライトとも言える
★★★★☆
物語の基本的な構造は、本著者のデビュー作「慟哭」と同じと言える。
つまり、似通った状況の連続殺人事件が複数の別個の犯人によって起こされていることで真犯人の捜査に迷彩が施されていること、捜査側の人間が複数の犯人の一人であること、である。
「慟哭」と異なるのは、時系列のトリックで読者を欺くという真似を、本作ではしていない(普通は許されないことだとは思うが)という点。
そういうわけで、本作は「慟哭」のrewriteだと思いながら読んだ。
しかしこの作者は、いつもながらのことだが、登場人物の描写の陰影が非常に深い。確かに個々の登場人物の描き方が画一的だという言い方もできるが、そうであっても、それぞれのキャラクターが圧倒的に際立っているため、物語の筋の運びに無理を感じさせず必然性さえ感じさせてしまう。
本作品で作者は、真犯人の特定につながるヒントを物語の比較的早い段階で読者に与えている。したがって、本作は犯人捜しやプロットの意外性を楽しんで読むべき作品ではなく、登場人物、特に主人公の人生とその心に刻まれた傷跡をかみしめて味わいながら読む作品であろう。
文句なく面白い。だけど、下敷きとなっている「慟哭」を読まずに最初から本作を読めば、もっと面白く読めるはずだ。
連続殺人犯に翻弄される警察の様子がリアルに描かれていて読み応えがあった
★★★★★
連続殺人犯「指蒐集家」に翻弄される警察の様子がリアルに描かれていて読み応えがあった。前半は警察内部の嫉妬や確執、連続殺人の共通点が見出せず悪戦苦闘する警察の捜査が中心に描かれていた。他人の言うことを気にせず単に事件解決を目指す捜査一課の西條、その西條を嫉妬し、嫌悪している機動捜査隊の綿引、誰にでも愛想よく振る舞い何を考えているか分からない三井など、個性的なキャラクターが際立っていた。
物語の中盤から後半にかけては捜査一課の西條の個人的な問題がクローズアップされるとともに、指蒐集家の事件も一気に加速し、最後まで目が離せなかった。事件も楽しめたが、人付き合いが苦手で、不器用な生き方しかできない西條にも好感が持てた。
怖さがほしい
★★★☆☆
内容の割に長すぎます。削除箇所は多いと思います。余計な話もあります。
西條の辞め方とプロシージャ、美叡の浅草への現れ方、個性の描き方が浅くて残念です。
こういう(類型的な)犯人を設定するのであれば、もう少し怖さが欲しいと思います。