人生の転機を描く短編集
★★★★★
短編集だけれども、8編のいずれも人生の転機を描いているので読みごたえがある。 オーディオ版の朗読者は主人公の性別、年齢に合わせて章毎に代わる。
『THE WAY HOME』は最初のお話のタイトルであり、『帰郷』の意味とともに『立返るべき原点』というような意味で使われている。 しかし、それが全編を通じたテーマとなっている訳ではない。
『The Nature of Truth』は、主人公の小説家が男女の関係について書いた本のタイトル。書く側は楽しいのだろうけど...
『Just the Facts』は、ジャーナリストが伝えるべき情報の意味で使われている。真実と乖離した情報が悲劇を生む。
『Water in the Desert』はタイトルどおりの意味。砂漠で出会った見知らぬ男女の魂の苦悩と解放を描く。
『The Knowledge』は、ロンドンのタクシードライバーが頭に入れている道路網のこと。しかし、Bruce Leeが伝授した『Knowledge』は『智慧』の意味か? タクシードライバーの人生を変えた、世にも不思議な物語。 クスクス笑いながら読みました。 オーディオ版は朗読が巧いのでおかしさが倍増する。 Bruce Leeの声も特徴を巧く表現しているので、ファンにはたまらない!
『Fifteen Hundred Words』もタイトルどおりの◯◯。
『North Sea Eyes』は主人公を虜にした美しい色の瞳。男性にとっては笑えないけど、結局笑ってしまうお話。
最終章の『End Point』もタイトルどおりの意味。しかし、やりきれない。