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奇跡も語る者がいなければ (新潮クレスト・ブックス)

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ジョン・マグレガー/著 真野泰/訳 出版社名:新潮社 シリーズ名:Crest books 発行年月:2004年11月 関連キーワード:キセキ モ カタル モノ ガ イナケレバ クレスト ブツクス CREST BOOKS きせき も かたる もの が いなければ くれすと ぶつくす CREST BOOKS、 シンチヨウシヤ 3162 しんちようしや 3162、 シンチヨウシヤ 3162 しんちようしや 3162 イングランド北部のある通り。夏の最後の一日がはじまる。夕刻に起こる凶事を、誰ひとり知る由もないまま-。22番地の小さな眼鏡をかけた女子学生。彼女を密かに恋する18番地のドライアイの青年。19番地の双子の兄弟。20番地の口ひげの老人。そして、16番地の大やけどを負った男と、その小さな娘…。通りの住人たちの普段どおりの一日がことこまかに記され、そこに、22番地の女の子の、3年後の日常が撚りあわされてゆく。無名の人び
作者は人を愛してるんだろうな・・・  ★★★★★
目を閉じてみて、どれだけ見えていたものを思い出せるだろう。想像できるだろう。
雑な捉え方に目が慣れてしまっているのだ。そんな中、この物語は、丁寧で、細やかで、美しい。
こんなにたくさんの人の、小さな感情の揺れや、不安や、優しさや、衝撃や、が書かれているのに、
不必要な描写がなにもないと思える。

長いけど、必読です!
本を愛している人へ ★★★★★
『小説を読むこと』と『映画を観ること』の違いということを良く思うんですが、
やはり小説には、小説の良さが、映画には映画の良さがあると思います。
読んでいて、映画にした方が良いと思える本は、あまり良い本ではないと思っていて、
物語の展開だけに、感動できるならば、映画で観たい。
小説には、それ以上の何かがないと、私は、とてもがっかりしてしまいます。

『奇跡も語るものがいなければ』
表紙と製本に惹かれて、パラパラとめくって目に付いた文が
独特で可愛かったので、購入しましたが、物語も、本当に素敵でした。

一文一文が、大切に創られたということが感じられるような、
その状況が分からなくても、解ってしまいたくなるような
きっとその表現は正しくて、私もそう思うんだろう、というような
説得力のような魅力があります。

あらすじでは、この本の魅力は伝わってこないし、
内容には少し省いても良い文があるんじゃないかと思ったり、
始めの数ページは、とにかく慣れるよう頑張って読まないといけないのかもしれませんが、
一人称で語られる場面がやはり好きで、彼女の内面と、恋愛には、すごく心を打たれました。

きっと、いろいろな思いを乗り越えた人だからこそ
書ける小説だと思う。

私はそうゆう人に魅力を感じる。

最後の方は、息が止まるほど、一瞬の重みを感じる。
そして、読み終えた後に、これまで語られてきた日常が、
すごいちからで生きてくる。

小説として、読む価値のある本だと私は思います。
本を愛している人なら、ずっと大切にしておきたい本になるんではないでしょうか。
ある瞬間のきっかけを拾い集めて ★★★☆☆
1枚の写真に映った景色は、その中だけに存在するのではない。
フレームからはみ出した部分にも物語は存在する。
ダイアナ元妃がなくなったあの日、
ある通りにはもうひとつの瞬間がおとずれていた。
その瞬間を思いがけず見てしまった人々と、
その瞬間の音を思いがけず耳にしてしまった人々にも、
やはり同じように、ある、進行する物語があった。
通りにすむ幾人もの人と、いくつもの出来事を主に結びつけるのは
ひとりの女の子。
新しい生命を宿している彼女は、その命の継続を、ようやく
決心したところだ。そして決意のきっかけになる人は
実は「彼女の過去」という写真にさりげなく登場していたのだが…。
ある出来事と出来事、ある人と人。
ひとつの結末に収束していく様々なものを、
もう一度ときほぐすかのように語られる物語。
写真の外にはみだした景色を、また映す人がいて
すべてをつなぎ合わせたように、これは、語られた物語。
優しくあたたかな天使の文体 ★★★★★
最初は映画のようだと思った。夜の街をカメラが映している。細部から細部へととびながら、すべてを拾い上げようとするように。それから、これはカメラではなくて天使の目線なのだと思った。

人は、どの人物が中心で、どんな行動が重要か、という枠組みを決めて物語を語る。焦点があり、関心の集中と、周辺の切り捨て、編集された抑揚がある。

でも、天使の目は、すべての人のすべての動き、鳥の影や空の色、車の音、街の響き、人がいない部屋の静けさ、無音のままにそこに息づく生活の気配にも、同じように注がれる。何の重みづけもせず、やさしく、淡々と。

読み進むうち、その文体にふんわりと自分の波長が合って、すばらしい視界が広がる。あらゆるものが豊かな意味を持ち、あふれるように存在しているこの世界の、小さな一角の、わずかな時間の、無限の広がりが。

他の人に一生懸命読むことを勧めるような本ではない気がする。
ただ、自分が感じたあたたかな浮遊感を、忘れないようにしたい。
・・・と思っちゃう一冊。

羽毛のような肌触りのやさしくてかなしい小説 ★★★★☆
一人称、三人称を多用した文体。詩のような描写、文末表現。最初は読みにくいかもしれないけれど、知らず知らずのうちにしっとりとしっくりと心に波紋が広がっていくよう。1997年8月31日(ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった日。作品との関連性はないけれど)のイギリスのある町のある通りに住む人々の生活が綴られる章と、そこの住人だったひとりの女の子の3年後の日々が交互に語られる構成となっている。本書にはささやかだけれど確かな奇跡がいくつか姿を見せる。登場人物のひとりが自分の娘に話しているのだが、奇跡はいたるところで芽生えている。ただそれを伝える者がいなければそれは奇跡とは言えないのだ、と。耳をすませてみてほしい。ほら。あなたの近くで奇跡の胎動が聞こえてきませんか。