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War and Change in World Politics

価格: ¥3,036
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Cambridge University Press
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waltzとの比較がおもしろい。 ★★★★☆
他の方も書いているようにwaltzとの比較がおもしろいです。
一般にgilpinはネオリアリズムと言われていますが、この本ではwaltzがreductionistとして批判したsecond imageを重要視し、waltzの姿勢とは正反対の立場をとっています。
Gilpinの理論はMarx-Leninsmとpolitical realismを土台としています。
この一見対極とも見える理論はGilpinによると、uneven growthという概念をシステムの変動要因として重視しているという点が共通しているそうです。
つまり軍事的、経済的、政治的な成長が各国ごとに異なることが、ひとつのシステムから次のシステムへの移行を促すというわけです。
一般にrealismはhuman nature、Neorealismはstructureをpower politicsの原因としています。
しかしGilpinはこの点を明確にしていません。
ただ新たな覇権国がコストとベネフィットを計算し、ベネフィットがコストを上回る場合に、既存のシステムを新たなシステムに作り変えようとするわけです。
つまりベネフィットがコストを上回る限り国家はpowerを求めるわけですから、defensive realismではないわけです。しかしneoかclassicalかという点ははっきりしません。
ただこの本全体としてclassical realismにかなり傾倒してるように思えます。
そうだとするならば、gilpinの理論はwaltzの理論を認めながらも、uneven growthというsecond imageの重視、さらにhuman natureをpower politicsの前提とするという立場と考えることができます。
私見としてはwaltzのようにparsimonyを過度に重視するということをせず、contextを重視し、かつミクロ経済学のような「科学的」な理論を絶妙な具合で取り入れるという分析方法は、かなり魅力的です。

中国の台頭を考える上での参考にもなる ★★★★☆
 本書は国際関係論の古典の一つで、歴史上国際システムが次から次へと変わってきたのは、経済成長率の高低によって国家間のパワーバランスに大きな不均等が生じ、その結果、台頭国が自分に都合がいい国際システムを築き上げるために覇権国と覇権戦争を戦ってきたからだ、というのが本書の要旨である。国際政治におけるシステムの変化と軍事及び経済との関係を理論化した名著だ。

 本書が出版された80年代初頭は新冷戦の真っ只中であり、本書が書かれた背景には、アメリカの覇権がソ連によって蚕食されつつあったという当時の情勢があり、必然的に本書では米ソ関係について多くの言及が成されている。この点、どうしても古臭さを感じざるを得ない。しかし、本書の理論的枠組みは強固であって、冷戦後の現在でも説得力を有する。実際、中国の台頭が国際システムにどのような影響を考える際に、本書は格好のツールになる。中国とアメリカ(及び日本)の経済成長率の差は最早圧倒的であり、ギルピンの理論に従えば、この不均等が続けば、覇権戦争が起こり得る、ということになる。
Waltzとの違い ★★★★☆
国際関係論においていわゆるリアリズムに属するとされるGilpinの代表作の一つです。

Waltzと並んで「ネオリアリズム」の代表格とされることもありますが、実際に読んで見ると、むしろWaltzとの違いを意識して読み比べるのがいいのではないかと思われます。その意味では、いわゆる覇権安定論との関係ばかりではなく、「伝統的リアリズム」との関係について、Waltzのそれに対する関係との比較で考えるながら読むというのも、一つの読み方かもしれません。

Gilpinの当時のもう一つの代表作であるThe Political Economy of International Relationsに比べて、(翻訳は出ていませんが)量的にも内容的にもとっつきやすいです。