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さざなみの日記 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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女世帯に波が立つ時 〜幸田文・小説〜 ★★★★★
昭和29年1〜12月「婦人公論」で連載された小説。

寡婦と娘と通いの家政婦、平凡に暮らす女世帯。
人と人との交際が彼女らの心に大小の刺激を与え、
変化を促してゆく。破壊的に、時には創造的に。
三人三様の波が建つ。

第3話『お手伝いさん』の石山さんが凄くイイ!
この人もまた 愛すべき寡婦である。
「微温湯的」な生活環境 ★★★★★
前半は、母、娘、お手伝いさん(寡婦)の三人の女所帯の「平凡な」「微温湯的」生活を淡々と描いてゆきます。

そんな三人の生活に「さざなみ」が立ち始めるのは、おきのさんが娘(緋緒子)に縁談を持ってきたあたりからです。娘が見合いをし、相手の寺尾から、いろんな意味で衝撃を受けます。それは、自分の置かれた「微温湯的」安らかな生活についてで、本来なら世間の荒波が襲ってきている筈のところを、母(多緒子)のところで上手く捌いてしまっている事実に気がつくからです。
お手伝いさん(石山)も、「コンクリートで固められ・・・おもしをかけられてしなびるだけ」の生活から、一人の女、一人の人として、自由な時間や楽しみを持ちのびのびする生活に、生き返ります。
こうして、娘、お手伝いさんがいなくなります。平凡な家に起こったさざなみは、女世帯を一変してしまいます。

この本を読んで、年頃の娘を持つ身としては、我が家も「微温湯的」な環境にあるのではないかと思ってしまいます。娘たちは、いつその「微温湯的」環境に気づき、巣立ってゆくのだろうと、心配と期待の綯い交ぜた気持になりました。