日常的な感覚の中で(シリ-ズの他のいくつかは非日常的な感じが強かった・・・)、純生が苦しむ心の葛藤、母親庸子の頑なな心のバリヤーと罪悪感の相克という、親子2人の心の問題がある。
その背景をわかりやすく明らかにされながら、それを取り巻く伸びやかで柔軟な子供たち友人・教師・親たちとの心の交流を経て、二人は徐々に明るく包容力のある心、人間らしい人間へと成長していく。
障害者や他国籍者との心の共鳴を通して、自分たちとちょっと違う人達もやっぱり同じ尊重されるべき人間なんだ、という気付きを与えてもらいながら、人々は成長していく・・・ (何回 涙したことか・・・)
ちょっと気になったのは、「人間として」という言葉が当たり前に何気なく使われること・・・ 「人間らしい」という言葉も難しい・・・
その言葉の心地よい響きの裏側に、人間を十把一絡げにしてしまうかもしれない危険性もあることに、注意を払いたいと思う。
ここに書かれている事がすべて、作り物だったらいいのにとおもいながら、一気に読みました。そして、涙がとまりませんでした。すべての人に読んでほしいです。