違法ではないがみっともない
★★★★☆
村上ファンドやホリエモン、ライブドアなどを思い起こさせる設定と名称で展開するTOBの物語です。
経済や政治、金融の問題で「浪花節」的な義理人情の思考は避けるべきなのでしょうし、あるいは正義に目覚めそれを貫くのも愚行なのでしょうが、それらが交錯して「そして誰もいなく」なるという結末は意外でした。
経済や政治、金融の問題で「悪者」を欲するマスコミの問題、それに同調する国民。法律には触れなければよいという思考が妥当なのか、「みっともない」レベルでもやめるべきか、いろいろ考えさせる内容とデジャブ(既視感)でした。
可もなく不可もなく
★★★☆☆
面白くないわけではありません。
ですが、事件、村上ファンドの騒動の後追いという感じで、
現実のニュースを覚えている分、分かりやすいですがサプライズがありませんでした。
テーマが似ている、真山仁の「ハゲタカ」や楡周平の「ラストワンマイル」などと較べると
一味も二味も物足りなさを感じてしまいました。
M&A小説だと思わない方が...
★★★☆☆
ライブドア事件,村上ファンド事件をモチーフとしたタイトル通りの企業買収を題材にした小説です.
TOBや焦土作戦などM&A関連のトピックを織り交ぜつつ,主人公の広田美潮とその父親の交流を描きます.そして,会社は誰のものか,会社とは何なのかというのがメインテーマです.
著者は証券会社出身なので,TOBをかけている各社の思惑や背景についてもう少し突っ込んだ話が欲しかったように思います.この分野に素人の私にとってもそれほど目新しいことはありませんでした.M&Aがメインの小説だと思って読むとちょっと若干消化不良だと思います.