相場に関心がありますので、テレビでこの本の紹介がありましたので、購入しました。一気呵成に読破しました。面白く且つヘッジファンドの実情が少しわかりました。ファンド勢も相場で苦労しているのだなと思いました。自分も相場を通じて楽しんでいきたいと思います。

他のレビューの方もおっしゃているように、火の玉に包まれたようなディーリングの臨場感は全く感じられない。それでも生命が宿った作品としてスラスラ読めるのは、著者のディーラーとしての経験を忠実に描いているということが読み手にも解るからであろうか。嫉妬心も多少あるが、ファンドマネージャーが大変に魅力的な仕事ではない、ということが率直に感じられる一冊。

巨額の金額を投機的に市場で運用するディーラーの心理や行動がビビッドに描かれています。株式や債券等の数字の高低変動を瞬時に動かしている裏側の人間世界が見えてきます。
デーリングルームがどんなものか、そのイメージを的確に伝えてくれている気がしました。ヘッジをかけるということが、具体的にどんな行為としてなされていくのかということもよく分かります。
日本の証券市場に狙いを定めたらグローバルに展開するヘッジファンドがどのように戦略的に行動するものかという一種の恐ろしさをリアルに描いていて臨場感に溢れています。
ある意味で、弱小都銀からヘッジファンドにスカウトされた岡田というディーラーのプロとしての成長物語とも読めるストーリーです。
ヘッジファンドのボスが運営する隠されたもうひとつのファンドという終章は、バランスという点やお金に対する著者の意識の反映でしょうか。お金が健全に使われているということで、何だかほっとした気持ちにさせるエンディングでした

実態に即しているかなど、専門的なことは
門外漢の僕にはよく分かりません。
が、最近話題のヘッジファンドについて知るには
いい小説ではないでしょうか？

金融業界で活躍していた著者だけに、
どんでん返しのストーリーや会話などは
臨場感があってそれなりに楽しめました。

市場の世界をスリリングに描こうとした内容ですが、ストーリーがチョット単純でしかも現実離れしたものに感じました。幸田さんの他の小説と比較するとどうも物足りなさを感じてしまいます。