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日本国債(上) (講談社文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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「無能な政府の財政ビジョンが、国債乱発という安易な手段に頼りすぎ、しかもその国債の発行がいかに不安定な現状に依存しているか。そして、それをじっと我慢して支えてきたわれわれを、いかにないがしろにしてきたか。ここらで一発思い知らせてやるんです」。国債の取り引きを担当するトレーダーたちがこぞって入札をボイコット。この「未達」によって国債市場が暴落し、金利は高騰。株式市場はかつてない値崩れを起こし、日本発の金融恐慌として世界を震撼させる。未達によって命を狙われるトレーダー。未達を起こすことで得をするのはいったい誰か――。

外資系金融企業で日本国債のトレーダーも経験した著者による経済小説が本書。分刻みで億単位の取り引きを行うディーリングルームの描写が克明で、市場の激しい動きに対応するトレーダーたちの緊迫感がリアルに伝わる。小説はサスペンスの味つけが施されているので謎解きに引き込まれながら読み進むうちに、素人にもおぼろげながら公債発行のメカニズムや売買形態、そして魔物のような金融マーケットの輪郭が見えてくるしくみだ。

国債という名の借金の先送り。金利の支払いがますます財政悪化を招き、個人や一般企業ならとっくに破綻に追い詰められる状況にもかかわらず、毎年打ち出の小槌が振られ続ける。このツケを払うのはいったい誰なのか。国債売買当事者であるトレーダーたちの強い懸念は、そのまま読者と日本社会への問題提起になっている。(松浦恭子)

社会的影響をもっと詳しく ★★★★☆
国債未達となった場合の社会的影響が,登場人物の係累の小企業が倒産したという程度にしか描かれていなかったため,実際に起こるであろう事態をもっとリアルに描いて欲しかった。
名前だけは知っていても ★★★★★
「国債増発」、「ついに税収を上回り...」などが昨今の新聞紙上にもよく出ています。数年前からは「国民一人当たり●百万円の借金」と言われながらも増え続ける国債残高。しかしその裏でどのように新規国債が消化されていたのか全く知りませんでした。そういう意味では小説とはいえ国債の裏舞台を垣間見たように思います。
新規国債の未達。そこから派生する他の市場への影響。そして時間とともに欧州から米国を回っていくうちに何がおこるか。それはリーマンショックを経験した今だからこそ現実味を帯びてきます。
筆者の「文庫化にあたって」の中にも書かれているように、実際に国債の未達は2002年に起こったようです。しかしその頃にはまだシ団が存在したため無理矢理に引受させることが出来たのだと思います。
しかしそれも2006年に廃止されていると聞く。その後出来たプライマリーディーラー制度の中でも金融機関には一定額の国債の入札・落札義務があるらしい。旧態依然なのか?だとしたら?
テーマはおもしろい ★★★☆☆
テーマはおもしろいと思います。
未達はあり得ないという意見もありますが、2002年に一度あったようですし、
今後発行残高のさらなる増加とともに消化が難しくなれば、
需給の関係で未達となる可能性はあるのではないかと思います。

株をトレードしている程度で金融のプロではなく素人意見ですが、
金融機関がリスクの高い民間への貸し出すぐらいなら、
まだ信用力のある国債を買うというあくまで消去法的な運用先となっている(と勝手に想像している)結果、
日本の国債は暴落を免れているのではないかと思います。

そして、広く多くの企業に供給される資金が
国債にむかい、一部の企業がそれを吸い込むという図式(があると勝手に想像している)が
日本経済の回復を阻んでいる一因なのではないかと勝手に想像したりしています。

あぁ、小説のレビューでしたね。
金融のプロではないのでリアリティなどはわかりません。
小説なのであまり細かいことを気にする必要はないと思います。
またまだ上巻しか読んでいないのですが、
それなりにおもしろいとは思います。
ただ、どうもページ数を稼ごうとしているのか
無駄な描写がおおくわかりにくくなっている場面があるので
すこし読みにくいと感じました。

暇なときに軽く読むのにはいいのではないかと思います。
上下巻で 1200円ですか。
買ってまでよむのはお金持ちのすることだと思いました。
次世代への責任 ★★★☆☆
投資目的ではなく、純粋に、日本国債とは何か?。それが知りたくて購読。

「国の借金」程度の知識しか持っていなかったが、日本国債を発行する側・買う側、
その背後にある金融業界等が広くわかる。
物語の中で、さりげなく、その辺りのことが説明され、理解しやすい。

日本国債とは国の借金。過去の借金が現在へ,その返済にまた、現在の借金を将来へ。
それが平然と繰り返される現実。
それを一人の母親の目線で見ていくうちに疑問が生じる。
借金をすることで人々は国の財政について、同じ時代の人達と同時に、
過去・将来の人々とも責任を分かち合うことになる。

母親は子供,つまり次世代の人々と最も多くの時間を接し、次世代のことを気にかける存在。
その目線から日本国債を見ることで、ことの深刻さが見えてくる。
国債への関心を深めるきっかけになる ★★★★☆
昨年初めて日本国債を多少購入しました。だけど、この本を読んでやっとその市場の仕組みや実状に関心が湧いてきた次第です。読後に現時点の国債発行総額をネットで調べてみて総額にびっくりです。
国債は環境問題と同じで、将来の世代に対する負の遺産。やはり絶えず関心を持ち、監視しつづける必要がある対象ですね。
国債発行の応札額未達というパニック状況の発生に伴うディーリングルームの活動が生々しく描かれています。日本国債を扱う主要ディーラーのさまざまな思い・発言を通じて、日本国債という市場のメカニズム、有り様が浮き彫りにされています。
新米ディーラー朝倉多希の国債初入札は「未達」発生の日。その入札の入力指示書がなぜか差し替えられていたという事実。上司の不審な交通事故と類似の状況に多希自らが遭遇します。原因究明に踏み込んで行く多希は、贈収賄事件を追う佐島刑事に協力しその助けを得ます。上司のPCの記録から知る牛熊クラブの存在。それがきっかけで「未達」という事実に隠された大きな罠の解明に結びつき、逆に主要ディーラーが一団となり再入札の債権先物市場で壮大なリベンジ行動を企るという展開に発展するというストーリです。
国債市場取引と贈収賄行為が二重三重に絡みあう形で黒い罠を構成しています。
曖昧な含みのあるプロローグから結末まで、読み手を飽きさせず引き込んでいきますね。