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起請文の精神史-中世の神仏世界 (講談社選書メチエ)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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落語の「三枚起請」の大本が分かりました。 ★★★★★
 「起請」というのは、落語の世界から入って知りました。まじめな歴史好きの読者のために少しだけ書いておくと、花魁がこれぞと決めた男に年季が明けたら夫婦になることを誓うというもので、もしこれを破ると、熊野でからすが3羽死ぬ・・・といった話がいくつかの廓噺に出てくる。
 そんなこともあって、この本をとってみたが、唖然、呆然ですね。
 中世日本の精神世界が、落語のお笑いの部分にしか残っていないような「起請」にこめられていたとは驚きであります。
 なぜ天照大神に誓いを立ててはならないのか。私は、「熊野でからすが3羽死ぬ」から、誓いの対象は天照大神かと思っていたが違ったのですね。
 このほかに、神と仏はどちらが上位かを論じ、神仏習合から新仏教まで、中世日本人の精神世界を論じきっている。

 落語も、こうしたまじめな精神世界の勉強の役に立つのですね。
 筆者には、動機が不純と怒られそうですが。
中世人の心に挑む力作 ★★★★★
起請文とは神仏に誓い、その誓約を破ったらその神仏の罰を受けても良いと記した文書。「「中世」といわれる時代に、この列島の上に生を営んだ人々の心をのぞき込もうというのがこの旅の目的なのです。」と始まる著者の一般読者への呼びかけに始まるなみなみならぬ意気込みが伝わる力作。氏はいわゆる新仏教の名僧でなく、多くの人々に共有されていた世界観・宇宙像を探るため起請文を「思想的座標軸」としようとしたわけであるが、その探求内容は中世思想史の最先端といえる。
「聖地納骨」については「なぜ納骨なのか」と言う点に突っ込んでおらず、今後の探求の進展が期待されるものの、この本のダイナミクスはこれらを背景として法然、親鸞のラディカルさを浮彫りにしたところにあるようだ。
著者の「下からの、地域からの歴史像の形成とその連携の中で、新しいより立体的な歴史像をたちあげようとする試み」は思想史のみならず各地域の歴史研究者に向けられたメッセージ。いざ、中世人の心への旅へ。