（ルドンについて）

　オディロン・ルドンは、フランスの19世紀から20世紀にかけて活躍した画家です。1840年に、裕福な家庭に生まれましたが、家庭の事情により、11歳まで田舎で親元を離れて成長しました。子供の頃から絵に興味を持ち、優れた才能を見せますが、親の意向により建築家を目指します。しかし、これに挫折し、20歳の頃に植物学者アルマン・クラヴォーと知り合って、顕微鏡下の世界に魅せられることになります。
　この後、ファンタン＝ラトゥールに石版画（リトグラフ）の指導を受けたりします。1872年からパリに定住し、1879年には初の石版画集「夢の中で」を刊行しました。
　1890年頃から、それまでの作品と大いに趣を異にした、豊かな色彩にあふれた画風となりました。ルドンの作品は、リトグラフであれ、後年の鮮やかな色彩のパステル画であれ、一度見たら忘れられない独特な美しさにあふれています。
　1916年に、パリの自宅で死去しました。

　ルドンは、印象派の画家たちとほぼ同世代ですが、その作風は大きく異なっています。特に幻想的なテーマの作品が多いのが特徴です。象徴派の文学者らと交友をもち、象徴主義に分類されることもあります。
　鮮やかな色彩を用いるようになったのは五十歳を過ぎてからのことで、油彩、水彩、パステルのいずれも色彩表現に優れていますが、なかでも花瓶に挿した花を非常に鮮烈な色彩で描いた一連のパステル画が知られています。
　日本国内では岐阜県美術館がルドン作品を数多く所蔵しています。


（この本について）

　この画集には、ルドンの作品の中でも傑作とされる作品を、すべて高画質で収録してあります。幻想的で、美しいルドンの作品を存分に楽しむことができます。


（アートクラシックスについて）

　アートクラシックスは、広く世界の古典絵画を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。

１、見やすいレイアウト
　適切な改ページで区切って、Kindleはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadなどのタブレットでの鑑賞に最適化しました。また、絵画の一つ一つに索引を付けましたので、目次から直接アクセスできます。

２、解りやすい解説
　一部の絵には、解りやすい解説をつけました。絵を楽しむことを第一に考え、あまり専門的になりすぎないように、気軽に読めるように配慮しました。
　
３、美しい表紙
　プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。画集と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。

４、スピーディーな改版
　紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。