なぜ子供は英語嫌いになるのか: フツ―の子が見つけたフツ―の子のための英語学習法
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勉強ぎらいな子どもがわくわくするとっておきの英語学習法
【はじめに】
児童英語と関わり半世紀ほどになります。
とはいえ、児童英語教授法の授業を受けたこともありませんし、英語教師としての資格も持ってもいません。たまたま、頼まれて近所の子どもに英語を教えて、いつの間にか英語の先生になりました。それは母親としての勉強もせずに、結婚して子どもを産んで母親になったのと同じかもしれません。母親として子どもを愛すように、先生として生徒を愛しています。
さて、この本を読んでいらっしゃるあなたはどんな方でしょう?
ご自分のお子さんに英語を身に付けてもらいたいとお考えの親御さんでしょうか?
ご自宅で近所の子どもたちに英語を教えている児童英語の先生でしょうか?
もしかしたら小学校など学校現場の方かもしれませんね。
ここで、質問があります。あなたは学校で学んだ「英語」が好きでしたか?
私のまわりでは、「好きでした」とか「得意でした」という人は非常に少ないです。あなたはいかがでしょうか? 得意だった方もいるかもしれませんね。でも「大多数」の日本人は「英語はちょっと……」と尻ごみしているのが現状です。
戦後70年が経ち、日本でもいろいろな英語教授法が広まっています。ITを使った教材も花盛り。それでも「英語が使える人」「英語が堪能な人」が少ないのはなぜなのでしょうか?
私自身の経験でも、どんな教え方をしてもどんどん覚えてしまう子がいる一方、教えれば教えるほど、そしてこちらの熱意が強ければ強いほど、反比例するかのように英語から逃げてしまう子、英語嫌いになってしまう子がいました。
多くの場合、「日本の英語教育は『大学受験』が最終ゴールにあるため、実用的な英語が身に付かない」と言われています。確かにそれも一因でしょう。ただ、ことはそれだけではないのです。根本的に間違っている「何か」があるのです。
私自身は、英語が苦手でどうしても覚えることができない子どもたちから、ある時ヒントをもらいました。そして、「ああ、これだったのか!」という「教え方」に気付き、ある学習ツールを開発するに至りました。
その学習ツールが「B.B.カード」です。
発表以後、40年あまりにわたり日本の子どもたちから絶大な支持を受けております。
その「B.B.カード」の骨となる「考え方」をお伝えしようというのがこの本の目的です。
一言で言うとそれは「発想の転換」です。
16世紀にそれまでの「天動説」から「地動説」を唱えたコペルニクスのような「逆転の発想」です。
「なるほどね」とあなたに納得していただける考え方かと思います。
実際、その方法で生涯にわたって使える英語の「基礎体力」を付けて英検など各種試験で力を発揮している子どもたちが全国で育っているのです。
第1章では、終戦直後からの日本で英語教育の歩みを私自身の実体験を通してお伝えします。それを踏まえて第2章では、「B.B.カード」の発想の元となったある事件をご紹介し、さらに「発想の転換」とは何か? どうしてそれが必要なのかをお話しいたします。第3章では「発想を転換」したことでもたらされたエピソードを披露いたします。
あなたにはぜひ、ご自身がお受けになった英語教育を振り返りながら読んでいただきたいと思います。そして、ご一緒に、今後、英語教育をどうするべきなのかを考えていただければ嬉しいです。
【目次】
はじめに
第一章 ジャック & ベティが英語との出会い
・終戦直後に中学入学。生まれて初めての英語にワクワク
・中3で転校。都会の英語にカルチャーショック
・高校時代はひたすら「暗記」。成績よくても英語力に自信なし
第二章 フツーの子どもたちが教えてくれた「ことわざ方式」
・「何もしなくても覚える子」vs.「教えれば教えるほど逃げていく子」
・「日英ことわざカルタ事件」
・なぜ子どもは英語嫌いになるのか?
第三章 「教える側の論理」vs 「教えられる側の論理」
・英語教育は誰のため?
・「逆立ちしたら見えるかな」
ーコペルニクス的発想の転換がトップ・ダウン方式
・トップ・ダウン方式とボトム・アップ方式の比較
第四章 トップ・ダウン方式で学ぶ子どもたち
・新感覚の英語学習ツール「B.B.カード」が誕生!
・「一年間だんまりくん」
・「出来るが先、知るは後」
・「英語大嫌い3人組」
・小学生からオトナまで、一緒に学ぶ英語合宿
・「ボク、英語しゃべれるよ」ー小学校英語の現場から
・「B.B.メソッド」が学術論文になる日がやってきた!?
最終章 カードで遊んで英語大好き
・フツーの子が見つけたフツーの子のための英語学習法
・親子で遊んで英語大好き
おわりに
【著者について】
難波悦子
1936年東京に生まれる。東京YWCA秘書養成科を卒業後、貿易商社に勤務、同時に休日を利用して子どもたちに英語を教え始める。従来型の英語教授経験を初期の20年。続く40年は自己開発の英語教材「B.B.カード」を使っての研究およびその普及に努め現在に至る。