4月から先生でいいの?: 若手教員からの本音のアドバイス (センセイプレナーBOOKS)
価格: ¥0
大学を卒業してすぐ教師になる皆さんへ
この4月から「先生!」と呼ばれることに期待がありつつも、不安も抱いているのはないでしょうか。
「採用連絡が来たことにホッとしたけれど、4月までに何をしておいたらいいんだろう」
「勤務するのはどんな学校なんだろう。先生たちにどう話しかけようかな」
「生徒とうまく関わっていけるかな。親御さんとの連携はうまくできるのだろうか」
現場で働くことを想像しはじめるとさまざまな疑問が浮かびます。
ニュースで報道されるのは、部活動での体罰やいじめによる自殺などショッキングな出来事ばかり。書店に行くと、ブラック〇〇や諸外国の〇〇教育のすすめなど、いまの日本の学校教育に対するネガティブなタイトルがよく目につきます。しかし、それらは学校教育に関わるほんの一部でしかありません。
「4月から本当に先生としてやっていけるんだろうか」とブルーになってしまう前に、ぜひこの本を通して実際の学校現場をシミュレーションしてみてください。
内容は公立中学校の『先生』にこれからなる方に向けたものですが、他校種・他業種で教育に関わりたい方にも「義務教育の中学校ってこういう感じなんだ」と知っていただけると嬉しいです。
教師になって数年経ち、教員志望の方から「先生の実情はどうなのか」といった質問を受ける機会が増えました。自分の経験を元に答えると、「そんなこともあるんですか」と驚かれることも多く、教員志望者が『現職の教員に実際に会って話を聞く機会がほとんどない』ということを知りました。
これから中学校で『先生』になる皆さんにとって、私のどのような経験談が役に立つのだろうかと考えました。その結果、私自身が大学では習わなかった教員の仕事内容に交えて、私が中学校の教師になって数年の間に起こしてしまった数々の失敗を共有すべきだと思いました。
些細なことから二度と起こしてはいけない大失敗まで、決して誇れる話ではありません。ですが、皆さんが中学校で「先生」として働くことが想像できるように、また私と同じ失敗を起こさないために、『自分がその場にいたら、どうするか・どうしていたか』ということを考えながら読んでいただければと思います。
その失敗中には、小さいミスが重なった結果起こったこともあれば、構造的に起こるべくして起こってしまったものなどがあります。さすがに理不尽な理由だったときは、その度に何度も辞めようと思いましたが、それでも続けてこられたのは、いろんな方の支援や不思議なご縁があり、自分自身が教師としてできること・やるべきことがあることに気づくことができたからです。
それでも日々の実践の中でふと過去の失敗を思い返すことがあります。
「あの時、こうしなればよかったんだ。なんで気づかなかったんだろう」
「あれはそういうことだったのか。これさえ知っていればこうすることができたのに」と。
この本は、『教師経験を数年積んだ先輩の私』から、大学卒業後すぐ『4月から先生になった当時の私』へのアドバイスでもあります。昔の自分と同じ失敗を繰り返さないようにという自戒の意味も込めて。
「4月から先生でいいの?」
その不安が少しでも期待に変わるように、この本がお役に立てれば幸いです。
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目次
はじめに
第1章 4月からどうしたらいいの? 意外と知らない新年度の始まり方!
1 初出勤日をどう過ごすの?
2 始業式までに何をしているの?
3 こんなに会議があるの?
4 もし生徒に会ってしまったらどうすればいいの?
5 入学式の日には何をするの?
第2章 7つの項目でわかる教師としての資質
1 見た目の印象
2 言葉のつかい方
3 『気』が生む空気感
4 やる気の見せ方
5 記録の残し方
6 受信する力
7 発信する力
第3章 4月までに何を準備しておいたらいいの?
1 なぜあなたは教師になりたいのですか?
2 生徒にどんな大人になってほしいですか?
3 自分の究極の目標のために何をしますか?
おわりに
【著者について】
おちあい なな
公立中学校教諭