お笑いネタの作り方
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本書「お笑いネタの作り方」は、小説家やシナリオライター、脚本家などのストーリーライティングに関わる方を対象とした、「お笑い」の作り方を説明している教材です。
本書の方法論を使うことで、お笑いネタを効率よく作ることができるでしょう。
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■ はじめに
物語で「笑い」はとても重要な役割を持ちます。
それは、物語の序盤で笑いを取ることによって、読み手や観客の気持ちをリラックスさせて、物語に引き込むことができるためです。笑いでくつろがせることによって、後半のシリアスシーンをより引き立てることができるのです。
日常会話でも同じです。笑いがあると、人間関係がよりスムーズに進むものです。
また、ビジネスの現場でも同じです。「ビジネスにおける商談の場面では、相手と出会ったら、まずは簡単に笑いを取れ。すると相手の肩の力が抜けて、続く商談が上手くいく」といったテクニックがあります。これも物語と同様に、笑いを取ることでリラックスさせて、後半の真面目な話を受け入れやすくできるのです。
どんなに迫力のある緊迫したシリアスシーンや、どんなに泣ける場面を作ったとしても、読み手の気持ちがリラックスできておらずに、物語を受け入れる余裕がなければ、元も子もなくなります。
ですが、「笑い」を効果的に組み込むことによって読み手の心をリラックスさせて、物語に引き込み、見せ場をより魅力的に見せることができるようになるのです。
■ 心理学的に笑いを分析するアプローチ
私は今まで様々な、笑いの作り方についての教材を読んできました。ですが、「笑い」の心理学的なメカニズムを説明している教材は皆無で、そしてそのような心理学的な基礎を元にした笑いの作り方を説明した本も皆無でした。
あるのは散発的な経験則のアイデアばかりで、論理的な考え方に従った「笑いの作り方」は今までありませんでした。
一流のお笑い芸人でも「笑い」は法則化できないという状況なので、誰もが笑いを法則化するのは不可能だと思っているのが現状です。
実際に「笑い」は常に変化しているものです。時代ごとに笑いは変わりますし、国によっても変わります。五十年前のお笑いが現代には通用しないことが多くあり、日本のトップレベルのお笑い芸人がアメリカでは通用せずに、同じようにアメリカで大流行したお笑い番組が日本では全然流行らないといった現象もあります。また、日本の中で見ても、あるネタがウケる世代とそうでない世代があるように、国や地域だけでなく、世代間でも笑いのツボは変わるものです。
このように、「笑い」は一見つかみ所がなくて、「習うより慣れろ」とか「センスが重要」といった風に、理屈が通らない世界のように見えます。
ですが、私はこれまで心理学を学んできて、その心理学を土台にすることで、ようやく笑いを理屈で説明することができるようになりました。
この心理学的に笑いを分析するアプローチを用いることで、なぜ国や地域、世代間で笑いが変わるのかを説明できるようになります。それだけでなく、この方法論を用いることで、その時代や社会にそれぞれ合った笑いを、システマティックに作ることができるようになるのです。
本書はそのような、「笑い」の心理学的なメカニズムと、それに基づいた「お笑いネタ」の作り方を説明してゆきます。
■ 本書の流れと対象者
本書は笑いだけでなく、泣きや怒りなどについても説明していますので、物語を作りたい方にとっては、感情がどのように引き起こされるのか、その参考になるでしょう。
この方法を用いれば、「泣き」を作るのも理解がしやすくなるものです。
本書は漫才のように笑いを専門にする方から、物語で部分的に笑いを埋め込みたい方まで、多くの方に利用頂けます。
是非本書で紹介するお笑いの作り方を、よりよい笑いを作る、その土台にして頂ければ幸いです。
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■ 本書で学べる、「笑い」を作るためのテクニック
本書は、小説家やシナリオライター、脚本家などのストーリーライティングに関わる方を対象とした、「お笑い」の作り方を説明しています。
・ お笑いネタを、簡単に次々と作る方法とは?
・ キャラクターの性格から、笑いのネタを作るには?
・ 尽きることなく次々とお笑いネタを引き出す方法とは?
・ 笑いを生む世界観を作るには?
本書はそのような、「笑い」の心理学的なメカニズムと、それに基づいた「お笑いネタ」の作り方を説明しています。
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■ 目次
第一章 「笑い」のメカニズム
第二章 「お笑い」の構造
第三章 お笑いネタの作り方
あとがき