魔女になる!: 神近市子と私
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「わたし、魔女になる修行をしているの」
冗談交じりに、こんなことをおっしゃる女性、たまにいらっしゃいますよね。
もしかしたら、あなたもそうですか? 実は私もその1人です。
これは魔女にあこがれていた私が出会った、本物の魔女のお話です。
【目次】
第1章 魔女になれ!
1先生の言葉
2素行の悪い先輩
3活水学院
第2章 魔女への憧れ
1魔女との出会い
2魔女になれた?
3蘇った言葉
第3章 神近市子~誕生から事件まで
1一路平安
2アマゾンの白アリ(活水女学校時代)
3スプレンディド・ヘッド(津田英学塾時代)
4幕間の憩い(新聞記者時代)
5自由恋愛
6日蔭茶屋事件
第4章 神近市子~事件後
1罪の償い
2結婚と弾圧
3離婚と議員時代
4魔女になる!
まえがき
「わたし、魔女になる修行をしているの」
冗談交じりに、こんなことをおっしゃる女性、たまにいらっしゃいますよね。
もしかしたら、あなたもそうですか? 実は私もその1人です。
あなたは どんな魔女になりたいですか?
私は、黒猫と話ができて、「勉強なんて嫌だ!」と叫んでいる子どもを、「もっと勉強したいよ!」と言わせるような魔法が使える魔女になりたい。猫だけでなく、ほかの生き物や花とも心が通じたら、もっとうれしい!
ところが、この日本には、そんな楽しい話ではなくて、すごい生き方をした本物の魔女がいるのです。そしてその1人が、私の高校の先輩でした。彼女のことは、とても恐ろしい魔女のような気がして、近づかないようにしているうちに、すっかり忘れていました。
でも、魔女修行に挫折した私は、何と半世紀も経って彼女を思い出しました。それが、神近市子(かみちかいちこ)です。
市子は桁外れの魔女で、マネしてはいけないこともやっていますが、女性が自分の意見を言うのも難しい時代に、己の心に誠実に生き、英語の勉強に信じられないほどの努力をした人です。
還暦を過ぎて久しいというのに、まだそんなこと考えているの? と笑われそうですが、
「It is never too late to learn. 学ぶのに遅すぎると言うことはない」です。
こんなことわざに勇気をいただいて、市子の誠実さや努力を見習えば、私ももう少し魔女に近づけるかな? そんな思いで、「神近市子自伝~わが愛わが闘い」(講談社)をひも解き、市子の生き方をご紹介したいと思います