結果の出せる摂食嚥下訓練! : 臨床30年の言語聴覚士が伝える臨床的ヒント
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2006年8月に私費出版した「21世紀を担うセラピストたちへ-摂食・嚥下訓練が成功するためにー」を、タイトルを改めてもう一度出版することにした。もう私の出る幕ではないと自分に言い聞かせて封印していたものである。
一旦封印はしたものの、最近摂食・嚥下機能訓練というこの世界が再度気にかかりはじめた。現在病院や各種機関で行われている摂食嚥下機能訓練はこれでいいのだろうか。セラピストたちは、今実践している訓練に確信が持てているのだろうか。どんな情報に基づいて訓練を展開しているのだろうか、と。この疑問は私が2006年、この小さな本を出したときのそれとまったく変わっていない。
一方で、どこで聞いてくださってか、入手したいと言ってくださる方もあった。やっぱりもう一度出すべきなのかなあと思い迷っていた矢先、電子書籍で出してはどうかという提案をいただいた。ありがたく受けることにした。
かつて序文に私はこう書いた。「不足を補い、間違いを正していただければ幸いである」。
その気持ちは今も変わっていない。臨床の場の訓練というからには、実践される手技は、理論的裏付けだけでなく、複数の人の手による再現性や有効性の確認が大切であろう。1つの提案→実践→再現できるか、有効か、批判否定されるべきかといった内容の精査や確認→新たな提案、といったサイクルが迅速かつ多様に展開してほしいと強く思う。
この書は、どんなに障害が重くても口から食べさせてあげたいと願い続けた1セラピストが、21世紀を担う同じ思いのセラピストたちへ送る1冊である。お役に立つことを心から願っている。
2014年 春