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風雲児たち (6) (SPコミックス)

価格: ¥680
カテゴリ: コミック
ブランド: リイド社
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『解体新書』の原稿料はどうなっているのか? ★★★★★
前野良沢は学者ではなくて、武士なのであった。

「苦労して学問をするのも、すべては身分として固定されている

生活保障に対する、そのことを保障してくれる“主君”というもの

に対する忠勤であるという、そういう位置づけしか持たない。」

橋本治『江戸にフランス革命を!(下)』
江戸にフランス革命を!〈下〉江戸のその後 (中公文庫)

「学」とは自分のために行うものではなくて、学ぶことを命じた主君に奉仕する

ために行うということを前提としていたのがこの時代。

前野良沢の仕事は中津藩藩主から、よくやったと褒められることで完結する。

一方、浪人である平賀源内に主君はなく「他人の目的」には縛られない。

制度に属していなければ存在すらしていないものとされてしまいかねない当時に

おいて自由の身となり「個人」であった平賀源内であったが・・・・・

自分はもっと認められてもいい筈だという怒りを抱くばかりで

他人から認められる努力を放棄して「個人」としての実質を満たそうとしない。

そして結局は「どうでもいいもの」として時代から捨てられると同時に

「なんだかわからない」という理由で珍重されるだけだ。

認められないまま、狂気の度合いを深めていった平賀源内はとうとう

つまらない事件を起こして獄死してしまう。

作者の平賀源内に対する視線は厳しく、激怒すると武士の象徴である

刀を町人に対して振り上げてしまうシーンを二度描く。

しかし12章「さらば源内」では、著者は優しく平賀源内の肩を

たたいているようである。さらば源内!

孤高の天才・平賀源内、退場 ★★★★★

安永五年(一七七六)、新国家アメリカが誕生した頃、
平賀源内は、かの有名なエレキテルを完成させる。

図らずも、アメリカ独立宣言の起草委員のひとり、ベンジャミン・フランクリンと
軌を一にして電気の研究に取り組み、その力を手中に収めていたことになる。


しかし、たび重なる事業の失敗や自分の才能を正当に評価しない世間に絶望した
源内は、しだいに奇行を見せ始め、ついには誤って人を殺し、伝馬町で獄死する。

そうした源内の死に引きずられるかのように、彼が蘭画の手ほどきをした
小田野直武(武助)、佐竹曙山(義敦)が相次いで、この世を去っていく。


とはいえ、歴史の舞台から退場する者があれば、新たに入場してくる者もあり。


黎明の時が終わり、時代が次の局面を迎えたことを示すかのように、
頼山陽の誕生が告げられ、本巻の幕が下ろされることになる――。




桁の違い過ぎた天才の悲劇 ★★★★☆
前の巻で、その桁外れの天才ぶりを見せ付けた平賀源内。
この巻でもさらにその天才ぶりを見せつけるが、
彼の本当の才能を理解するのは、
江戸時代の人々にとってはかなり無理な話だった。
自分の才能と周囲の無理解との差を嘆きつつ、
突発的な傷害事件をおこして捉えられ、ついには獄死してしまう。

源内に関しては暗いエピソードが続くが、
私が20年前に最初にこのマンガを読んで以来、
ずっと心に残っていたシーンをひとつ紹介しよう。

かの「エレキテル」を造りあげた源内は、
時の老中にして彼の理解者、田沼意次にエレキテルを見せる。
田沼は「何か役に立つのであろうな?」と質問するが、
源内の頭に現代の電化製品がふとよぎるものの(もちろんこれはマンガでの創作)、
何の役に立つのか全く答えられないのだ。

当時理系の大学生だった私にとってこのシーンは、
「その時点では役に立ちそうもないことを研究することの重要さ」
を教えてくれるものだった。
残念ながら源内のエレキの研究は止まってしまったが、
欧米で電気の研究をしていた物理学者達は、
それが後に我々の生活に役に立つことなど考えなかっただろう。
もちろん彼らの研究のおかげで、私たちの今の生活があるのだが。

それにしても、もし江戸時代の日本が鎖国をせずに、
源内がヨーロッパの文化にもっと自由に触れていればと思う。
彼の名声を世界史に残せるくらいの才能はあったのではないかと。
さらば源内 ★★★★★
 奇才平賀源内。あまりにも早すぎた才能は時代との齟齬をますます深くし、世紀の発明エレキテルも単なる見世物以上の評価はなされない。絶望した彼は刃傷沙汰をおこして伝馬町へ送られる・・。

 蘭学は黎明期から大槻玄沢ら次世代の登場へと歩を進め、長崎の町で大捕物した林子平は、オランダ人との交流から「海国兵談」の構想を得る。

 第十二章「さらば源内」が素晴らしい。源内の死後、堰を切ったように畳み掛ける不幸。しかし、それでも時代は動いていく。土曜の丑や竹とんぼ。源内の残した遺産は確実にその後の時代の礎となっていったのだ。
人は死にゆく ★★★★★
 平賀源内死亡や、田沼意知謀殺、田沼意次失脚といった、
薄暗い時代に突入。ギャグ漫画のなのに小田野武助が死ぬ所では
マジに泣きそうになりました。
あと戦後、経済学的に田沼意次の評価が改善したあとも、
しっかりと描かれる事のなかった田沼の改革が
しっかり描かれている事もあり、楽しんだかはともかく、
星は5つ。みんなに読んで欲しい。